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最期の祈り(Fate/Zero)
Mission Kiritsugu U
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ここまでリスキーな行動はとらなかった筈だ。だが、戦いの途中、見せられた。その素顔を。それを見た瞬間、彼は計画を変えた。動揺した振りをし、エムのレーザーに焼かれ、四肢を切らした上で、最終的に彼が一番必要なモノを手に入れた。
 「終わったか?」
 その時、声が掛かった。そこには多少血の気は失せたが、特に目立った外傷は特にない千冬が立っていた。スコールに髪を切られたせいで、一瞬誰か解らなかったが、その雰囲気までは変わっていなかった。
 「ええ。そちらは?」
 「乗組員は操縦士を一人残して全員気絶させておいた。不時着するには問題ないだろうが、操縦は厳しいだろうな」
 「ステルス機は見た事が無いのでその辺りはお任せします。それよりこれを」
 そう言うと彼は抱えていた少女の顔を千冬に見せた。暗がりのせいで確認するのに手間は掛かったが、確認するや否や、彼女の鉄仮面が崩れた。
 「これは……」
 「ご存じなかったのですか?」
 「いや、正直な話、これには驚いた」
 ならば、千冬に尋ねるのは無駄だと見切りをつける。心当たりはあるようだが、それ以上は無い。そうだとするならこれ以上、この場で時間を使うべきでない。ステルス機が不時着し、その地元の公機関が駆け付けるまでそう時間は無い。他にすべき事が他にある。千冬にそのことを話した上で今後の処理方針を決める。
 「……まず、このエムと言う少女の扱いですが、隠しましょうか?」
 「……そうだな。下手に耳目を集めるのはまずい。手段は?」
 「それはこちらで」
 「では次に――」
 切嗣が何かを言おうとした瞬間、何か嫌な音が艦内に響いた。
 「……なあ、衛宮?ステルス機って、不時着できるのか?」
 「……さあ?」
 「奇遇だな。私も知らん」
 嫌な沈黙が続いた。この感覚は、恋人同士が仲睦まじく喋っている時に、偶々突入してしまった、アレだ。いや、もっと気まずい何かだった。お互いに知りたくない何かを知ってしまったような、あの雰囲気だ。


 …………………


 「なんで知らないのに自信満々なんだアンタ!?」
 「私も知るか!?あのパイロット『バッチリ不時着できますよ』って、良い笑顔で言い切ってたぞ!?」
 「それ絶対に道連れにする気だろ!?」
 掴まれれば、国にもよるがほぼ死刑か終身刑確定なのだ。それを視野に入れて実行するだろう。
 どうする?そうこう考えているうちにも機体の高度はドンドン下がっていた。さっきから凄い音量でアラームが鳴っている。
 「いや待て!お前たしかIS持ってるだろ!?それで飛び降りて飛べば――」
 「このISに飛行能力は無い!」
 「ド畜生!!」

 高度3000フィート
 「大体お前が作戦を事前に話してくれれば!」
 「無茶言わないでください!僕だ
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