Mission Kiritsugu U
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なぜ!?」
四肢は切断した筈だ。なぜ、今見ているお前は五体満足でいる?そう言う目をしていた。
「学習しないな。足の再生はお前も見た筈だろう」
「見た。確かに見た。だからこそ貴方のISはここに……」
そう言うと、オータムが握っている銀のアクセサリーを見やった。そこには確かに彼が持っていた銀の鳥があった。再生能力は知っていた。だからこそ、その発生源たるISを奪った。だが、いつ、誰が、
「いつ、誰が、これをISだと言った?」
「本物はこっちだ」
そう言うと、彼は右腕を突き出した。その甲には紅い十字架が切られていた。いや、剣か?
「剣?」
「ああ。これは契約の証であり、僕の烙印だ。人類の救済を掲げた、最後の流血を祈った証であり、全てを裏切った烙印だ」
淡々と答える切嗣。その眼には何も映っていない。いや、曇っているだけだ。もう誰も、傷つく姿は見たくない。だから殺す。なにも映さないのでは無い。何時の頃か、人を直視できなくなってしまった。そうでもしなければ、進めなかった。いや、生きることが出来なかった。
だが、
「侮るな」
確かに彼は弱い人間かも知れない。寓話の主人公からは程遠い主役かもしれない。だが、そんな弱い人間が必死に生きる事、それ自体が強さではないか?今から彼女が、スコールが挑むのは、衛宮切嗣という、魔法のような人間だ。
「なぜ態々捕まってやったと思う?」
戦いを引き延ばすだけでは、終わらせる事は出来るが幕を引くことが出来ない。なら、その一手先を行けばいいだけの話だ。
「くそっ」
舌を打ちながらも、ISを部分展開させる。だが、
「勝てると思っているのか?閉鎖空間でも、僕はこの力を全力で使える。だが、お前がISを完全に展開すれば確実にこのステルス機は墜ちるぞ」
それが全てだった。相手に全力を出させない。絶対に勝てる状況を作り出す。それが彼の必勝法。今、逃げ切るためにステルス機を失えないスコールに、ISを展開させるという選択肢は無い。やれるとすれば、せいぜいが嫌がらせをすることくらいか。
「最後に聞いておく。黒幕は誰だ?」
「絶対に言わない。言うものですか!」
予想通りの答えを聞き、眉ひとつ動かさず彼は引き金を引いた。
コンテンダーから銃弾が飛び出す。それは一秒とかからず彼女の心臓に突き刺さった。重心がずれたその体は、一度地面にバウンドすると、二度と動かなくなった。
「終わったか……」
そう言うと、彼はその部屋を出て行き、ドアの外に投げておいた少女を抱え上げた。エムと呼ばれた少女。その顔に爪を立て、思いっきり剥いだ。大人しそうな顔のマスクが剥され、一気にその素顔が露わになった。
「一体、どういう事だ……?」
こんな物を見なければ、彼自身
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