転入生二人
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「ヤヴァイ……これはマジでヤヴァイ」
つぶやく響は携帯を確認した。既に結構な数のメールが送られている、主にセシリアから。
「そっかー、今日は5,6限連続だっけか。どうりで呼びにこれないわけだ」
言いながら響は立ち上がり、大きく深呼吸すると校舎内に続くドアノブに手をかけ。一気に回すと全速力で階段を駆け下りる。
「確か織斑先生言ってたな、授業をサボったら補修だが放課後私から逃げ切ったら見逃してやるって。だったら逃げてやるよ! 全力でなぁ!!」
響は廊下を駆ける、周りには目もくれず、ただただ駆けていく。そして何とか一組の教室の自分の荷物を取ることに成功した。
「よし、これであとは寮まで逃げるだけ――」
「どこに逃げると?」
言いかけた瞬間教室の後ろに千冬が仁王立ちで構えていた。
「――織斑先生……」
「よう、鳴雨。5,6限はお前がいなくて寂しかったぞ?」
「またまたご冗談を、私がいなくて進行しやすかったでしょう?」
にこやかに告げる千冬に若干引きながら響は答える。
「冗談ではないさ、だがお前がどうしても放課後私との補修が受けたいようだったのでな。ならばと思い待っていたのさ」
「それはご苦労様です。でも、それはお断りします!!」
言い放つと響は教室の窓を開け放ち、飛び降りた。それなりの高さはあったが、今はそれどころではなかった。なにせ鬼が追ってきているのだ、それぐらいの無茶は当たり前だろう。
着地した響はそのまま寮に向かって駆ける。
「待たんか! 鳴雨ぇ!!!!」
「そういわれて待つヤツはかなりの馬鹿ですよ織斑先生!!」
後ろから聞こえてくる鬼の声に、響はこたえながら後ろを振り向く。すると千冬も響がやったようにベランダから飛び降り、今まさに地面に着地したところだった。
「げッ!?」
「逃がさんぞ!!」
言いながら追ってくる千冬はまさに鬼の形相だった。
そして寮の付近に差し掛かったところで、響はある人物とぶつかった。その人物は男子制服を着た金髪の少年、シャルル・デュノアだった。
見事にぶつかった二人は、響が上シャルルが下という様に重なって倒れこんだ。
「いっつー……、おい。大丈夫かデュノア?」
「う、うんなんとかね。君のほうも大丈夫?」
「ああ、私も大丈夫だ。悪い今退く」
シャルルの声に響は彼の上からどこうとした時、あやまって彼の胸の部分を触ってしまった。だがそこに触れた瞬間、響はあることに気付いた。
……ん? なんか男にしちゃあ胸柔らかすぎねぇか?
そう、妙にシャルルの胸が柔らかいのだ。男であっても太っていればもしかしたら柔らかいのかもしれないが、シャルルは
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