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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
初めての都市
シキあるところに汚染獣あり
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と勇敢に戦い、ボロボロになりながら勝利するだろう。
 だが、これは紛れもない現実だった。
 ――――グチャリ。
「ッ!?!?」
 咄嗟に、ナルキはメイシェンとミィフィの視界を塞ぐ。
 だが、音までは塞ぐことができなかった。
 そう、突っ込んだ彼が一口で食われた音までは。
「きゃぁあああああああっ!!」
 メイシェンの口から絶叫が響き渡る。
 ナルキは、口いっぱいに広がる酸っぱいものを耐え切れずに吐き出す。
 周囲にも同じような光景が広がる。
 人が簡単に死んだのだ。劇的なドラマもなく、あっけなく、無残にだ。その事実にナルキは耐え切れなくなったのだ。
 汚染獣は、まだ足が痙攣している武芸者の死体を丸呑みすると、鮮血を滴らせながらナルキたちに向かって歩き始めた。
 誰も動かなかった。いや、動けなかった。
 絶望に包まれた彼らは、もう動く気力が残っておらず、ただ餌として死んでいく自分を呪うしかする方法はなかった。
 一歩、また一歩と死(汚染獣)が近づいてくる。
 上空では遊んでいるのか、三体の汚染獣が旋回していた。
 だが、その事実ですら気休めにはならない。
「くそう」
 ナルキは、涙を流しながら無力さを悔やんだ。友達も守れないことを悔やんだ。この瞬間に動けない自分を悔やんだ。
 そして、汚染獣はナルキたちの前に立った。
 そして、大きな口を開けた汚染獣は……突然、飛んできた巨大な剣に喉を刺し貫かれた。
 絶叫が辺り一面に響き渡る。
「な、にが?」
 あまりの非現実さにナルキは、呆然とした。血をまき散らしながら悶える汚染獣を見て、信じられなかったのだ。
 ナルキよりもずっと強いであろう武芸者を、いともたやすく食い殺した存在があっけなく死のうとしているのだ。理解しろというのが無理な話だ。
 そこに小さな影が、ナルキたちの背後から飛び出し、突き刺さった剣の柄を握ったのが見えた。
「はっ?」
 そこでナルキの思考は完全に固まった。
 その影は、無理やり剣を引き抜くと膨大な剄を刀身に纏わせてそれを叩きつけた。
 次の瞬間、汚染獣の頭部が粉砕され、巨体が倒れこむ。
「……雑魚が」
 肩に身の丈ほどの巨剣を担いでいる人物を、ナルキやミィフィ、メイシェンは知っていた。周囲の人々は何も言えず、汚染獣を簡単に殺した人物を見た。
「シッキー?」
 そこにいたのはシキだった。
 二段復元した剣を待機状態にして剣帯に戻した。
 着く直前、シキは迷ったのだ。衝剄を放って絶命させてもいいが、威力が高すぎて一般人に被害が出るのを恐れた。そこでシキは、一切剄を込めずに剣を弓矢の代わりにして放った。
 見事に命中した剣で、怯んだ隙に飛び込み。衝剄を流し込んで殺した。
 シキは汚染獣の死骸から驚いている人々を見下ろす。
 
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