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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜【外伝】
とある騎士の昔語り---その5---
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とも」
「……だったら仕方ないですね」
「うむ。 その通りだ」
「では遺体を捜索しませんと」
「それには及ばんぞ、奴らの根城は戦いの最中、落盤を起こしてしまってな。 伯爵の麾下の方々も幾人も犠牲になった」
「それが何か?」
「え〜い、わからんかね、奴らが我々の使者達を捕えるなり殺すなりしてそれがすぐに漏れないように根城に隠しておったんだろう」
「……ほぅ」

  " まるでその場で見てきたようですね " などと口に出しては取り返しのつかない事態に至ると思ったヴォルツはその件についてはそれ以上追及するのを取りやめた。 





 翌日、引き揚げて行った伯爵の配下の者達を表面上丁重に送り出したヴォルツであった。
 それに気が付いたのはさらに翌日の午後である。
 熊害についての正式な報告書を作成中、証拠品の毛皮を確認しようとしたところその所在が知れなくなっていたのだ。
 倉庫の管理に該たっていた者は行方知れずとなっていた。
 自分も証言するし村人も証言するだろうから君の武勲は安泰だよと鷹揚に言う代官であったが、無論、手放しで信用など出来ようはずもなく、どうやら自分が何か(はかりごと)にかけられているのではないかと感ずきはじめた……





 それから二月ほどの後、王都から新たな近衛騎士の赴任、そしてヴォルツへの召還命令がもたらされた……






 " 引き継ぎの必要無し、速やかに帰還せよ "

 書状にあった一文と同じことを使者から告げられ、彼の身柄は拘束された……

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