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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第16話 亞愛とモカ
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ができないモカに抗う術は無かった。

「まずは このかわいいあんよから ブッた切りましょーか……せーの!」

容赦なく男はサーベルを振り下ろした

「うあああぁ!!」

モカの脚に非情な刃が…迫ってきたのだ!







side out







ジャック  side



それは、森の中。

ジャックが城へと歩いた時だ。


“ひゅおおおおっ……”


生暖かい風を感じた

『……?…なんだ?今の…殺気?それにこれは、風に混じった血の臭い……だな。』

ジャックは周囲に意識を集中させる。

索敵能力を更に遠くにまで伸ばした。

『あっちだな、 気配は…1…2…複数いる。 ここは朱染城から まだ結構離れてるのに……』

……ジャックは考えていた。

バンパイアは好戦的な種族でよく殺し合いにまでなるほどの戦いを身内でしてるときもあるが…

あくまでそれは、手合せ。

風に乗って感じる。

そして、距離もまだあるというのにだ。

それも気配の数から考えてもそれは、致命傷ほどの血の量。

敵でもない、ましてや同族にそこまでするのはありえないだろう。



……ジャックは少しばかり大袈裟気がした為、俺は殺気がする方へ 向かった。






そこで見たのは…







ジャック side out





男達は次々と血塗られながら倒れ、地面に伏す。



「ブッ殺……ッ」



“ドド スパァ!!ビシャアァア!!”



それは、まさに一閃だった。

モカが斬られる直前に突然現れた少女は…手刀で逆に男達を切り刻んだ。

そして……辺りに鮮血が舞う。

四肢が、胴体が、頭が。

人型の形である事を許さないその一閃。





「……私に恨みがあるならば 最初から私を狙ってこい それも出来ない小物のくせに 私の大切な妹にふれるなよ。」




少女の名 ≪亞愛≫


亞愛は男に冷徹な目で倒れ伏す男を睨み、 そしてその血の着いた手を払った。



「……悪…魔め………。」



意識の薄れゆく中で…………

それが男の最後の言葉だった。








モカ side





「……すごい………」

モカは 自身についた返り血に触れながら思っていた。

この血を生み出したのは目の前の姉。


(恐ろしいのに見とれてしまった…… その強さに圧倒的残虐さに。)


恐ろしいはずなのだ。

死ぬ所など、見たことが無い。

それを目の当たりにして…
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