暁 〜小説投稿サイト〜
フィガロの結婚
40部分:第四幕その四
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
しだ」
 二人で言い合いだしていた。
「節穴のその目をな」
「そうだな。見よう」
 フィガロはもう一人の自分に対して頷いた。
「女共を見よう」
「そうだ。何者であるかを見よう」
「ここで言われる女神とは裏切ることを何とも思わない」
「うん、その通りだ」
 自分の言葉にまた頷く。
「か弱い理性の持ち主は彼女に貢ぎへつらう」
「女とは何か」
 もう一人に応えて彼も言う。
「女とは男を苦しめる為に誘惑する魔女であり」
「そう。わし等を溺れさせる為に歌を歌う海の精だ」
「羽毛を引き抜く為にそそのかす梟であり」
「光を遮る為に人目を射とおす悪い星だ」
 自分同士で言い合い続ける。完全に調和してしまっている。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ