Prologue 秋の公園で
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..そうだね...気をつけるよ」
「よろしい」
彩斗はサヤナの頭を撫で、立ち上がった。
夕飯でみんな待っているのだ。
家では『アイリス』、『メリー』、『スズカ』、『舟子』の4人の少女たちが待っている。
皆優しいため、少しくらい遅れても大丈夫という甘えが彩斗にもサヤナにもあった。
彩斗は立ち上がっても歩き出す気配を見せずに星を眺めていた。
「そういえばさ、スッゴク基本的なこと聞いてもいい?」
「?」
サヤナは彩斗に話し掛けた。
いつもサヤナからの質問というのは彩斗にとっては答えにくいものばかりだった。
好奇心の塊のような少女だった。
「どうして生きてるの?」
「え?」
意味不明の質問だった。
それは生物学者でもなければ答えられない難問。
だが彩斗はその質問の裏に隠れた真意が分かっていた。
「だってお祖父様から『彩斗は死んだ』って教えられてるから。まぁ実際は今、熱斗のネットナビとして心と記憶が蘇生してるけど、だとしたらあなたは誰?」
「......」
サヤナと彩斗の祖父は同一人物だった。
『光正』。
その道では有名なインターネットによる高度な情報化社会の開拓者の1人だ。
そして彩斗と熱斗はその息子、『光祐一朗』の子。
サヤナは祖父の生み出したネットナビだった。
光正には数え切れないほどの遺産がある。
電脳空間で超人を生み出してしまうようなものから、人間をデータ化してしまうようなとんでもないものまで揃いに揃っている。
彼女はそれが悪用されないようにとプログラムされた護衛のネットナビだった。
コピーロイドを使って現実世界に存在している。
しかしこのコピーロイドはかなり特殊なもので、普通のコピーロイドのように、プラグインしたネットナビの姿に変化するわけではない。
元からサヤナの姿をしている。
体は基本的に普通の肉体と変わらず、心臓が動き、血が流れ、食べ物も消化する普通の人間。
だが脳だけがユニット化された電子脳でプラグインすることが可能だった。
「良い質問だけど、正直言ってあまり答えたくはない...かな?」
彩斗は笑って誤魔化した。
ズバリ予感的中と言っても過言ではない。
その理屈からすれば、この世に『光彩斗』という人間は2人存在することとなる。
ロックマンエグゼとこの場にいる彩斗。
明らかな矛盾だ。
「やっぱりそう言うと思った。でも今日は答えて欲しい。そして彩斗がスターダスト・ロックマンになるまでの話も」
「...ハァ...でも一番僕が怖いのは、君が僕を嫌いになることだよ。きっと君は僕を嫌いになる」
「話さなかったらもっと嫌いになるけどね♪」
サヤナはとんでもないことを平気で言う。
一応、彩斗の生まれた年と、サヤナがロールアウトされた年は同
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