第五十二話
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第五十二話 使い魔の数は
パーティーが終わって自分達の家に帰る途中にだ、雅美は一緒に帰る愛と里沙に対してこんなことを尋ねた。
「使い魔の数ってね」
「それがどうかしたの?」
「何かあったの?」
「私達は皆二匹だけれど」
五年生も六年生もこのことは変わらない。
「一年生だと使えなくて三年生から一匹で」
「段々増えていってるのよね」
「使い魔の数は」
愛と里沙もこう言う。
「だから今田先生と今日子先生位になるとね」
「物凄い数になるのよね」
「お二人共二十匹以上使っておられるけれど」
それこそちょっと見ただけでは何十匹いるかわからない、おそらく実際は二十や三十では効かないであろう。
「それだけ先生達の魔力が凄いのよ」
「だからあれだけ使えるのよ」
「そうよね、先生達は特別ね」
何しろ日本はおろか世界有数の魔女達だ、最高位の魔女の証である金と銀のそれぞれの法衣は伊達ではないのだ。
それでだ、雅美も納得して頷く。
「だからよね」
「そう、私達も修行を続ければね」
「使える使い魔の数も増えるわよ」
「そうなるからね」
「一緒に頑張ろうね」
「そうね、今いる娘達も可愛いけれど」
魔女と使い魔の絆は深い、それこそアシスタントというだけでなく友人でありパートナーなのだ。そこまでの絆があるのだ。
それは数が多くなっても変わらない、それで雅美はこうも言うのだ。
「使い魔のお友達ももっと欲しいからね」
「人間のお友達もよね」
「もっとよね」
「勿論よ。それじゃあね」
雅美は二人に笑顔で応える、そしてだった。
こうだ、その二人に笑顔で言うのだ。
「じゃあ明日はね」
「明日は?」
「明日はどうするの?」
「一緒にね。公園行こう」
そしてそこでだというのだ。
「そこで一杯遊ぼうね」
「そうね、いいわね」
「遊ぼうね」
二人も雅美の言葉に笑顔で応える、三人の絆ははじまったばかりだが早速深いものになっていた。そのことを確かめながら。
雅美は上を見上げた、夕暮れの中に。
一つ星があった、その星は。
「宵の明星ね」
幸運の星に思えた、その星に暖かいものを感じてそのうえでこれからのことを楽しみにしていた。全てはこれからだった。
第五十二話 完
2013・7・4
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