山越え
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〜20分後〜
目の前に町が見えた。
「紗恵、もうすぐ着くから、頑張れ」
「うん………頑張る」
ガサガサガサッ
「誰だ!!」
俺は紗恵を後ろに隠し、草むらに目を向けると。
草むらの中から、ついさっきのリーゼントっぽい頭をした山賊と大男の山賊が出てきて、
「頼む!!アンタの子分にしてくれ!!」
頭を下げた。
「ハイ?」
え?………何?子分にしてくれ?
「えっと………何故に?」
「アンタは俺達にやり直せと言って、命を救ったよな?」
「いや………そうだけど………」
「だったらこの命!アンタのために使いてぇ!」
「………他の人達は?」
「アンタに貰った金を渡して国に帰らせた」
二人が地面に座り、正座して
「お願いじまず!」
「頼む!!」
土下座で頼んできた。
俺はどうするか悩んでいると、
「お兄ちゃん、入れてあげて……お、お願い……」
紗恵も頼んできた。
「いきなりどうしたの?」
「こ、この人達、悪い人には…見えない………」
「だけどなぁ」
「お願い!!」
紗恵も頭を下げた。
俺はため息をつき
「……分かったよ」
その言葉に三人は顔を上げた。
「ただし!!子分は嫌だから家族ってことで良い?」
「「ありがと(ど)うございます(ず)」」
「あ、ありがとう……」
二人はその場で自己紹介を始めた。
「俺の名は前田雪之丞《マエダ・ユキノジョウ》だ」
「オデは蛮頭凪切《バンドウ・ナギリ》ですだ」
リーゼント頭が雪之丞で、大男が蛮頭か…………アレ?どこかで聞いたって言うより、見たことあるぞ?………ま、良いか
「俺は白崎勇信、んでこっちの娘が」
「は、蜂須賀紗恵です」
紗恵は俺の後ろに隠れながら恥ずかしそうに答えた。
「それで、兄貴……今からどこに行くんで?」
「ん〜取り敢えず美濃で働いてみようと思う」
「兄者は仕官ずるんでずか?」
「いや、仕官する気はないよ」
っと言うより
雪之丞→兄貴
蛮頭→兄者
紗恵→お兄ちゃん
「…………俺は兄属性でも有るのか?」
「「「??」」」
「何でもないよ………さぁ、行こうか」
目の前には美濃が見える。
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