拝啓女王よ。妾は姉としてやれているのだろうか?
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
今日もひかりの様子がおかしい。
昨日私の知らない女性に連れられて帰宅した妹。学校から登校していないという連絡を受けた両親と私はもちろん彼女を叱りました。
しかし、妹を連れ帰った女性は彼女をあまり叱らないでほしいと頭を下げてきました。
なんでもその女性は妹とネット友達で日本に家族で引っ越してきたそうで。
引っ越し先に荷物を送っていざ自分達もと日本に来たが良かったが案の定迷子になってしまったそうです。そこでネット友達であるひかりを頼ってなんとか無事に新居にたどり着いたのこと。ひかりは一人で帰れると言ったのだが流石にそのまま返す訳にはいかないという事でお詫びと御挨拶にきたという訳です。
さて、昨日の話しは置いておきまして、今は目の前の妹についてです。
昨日はニヤニヤクネクネしていて気持ちが悪かったのですが今朝は頬杖を付きながらうっとりとしています。正に恋する乙女です。
再び気になった私は今一度訊ねてみることにしました。
「え? なにかいいことあったかって? 気になる? 気になる?」
昨日みたいにニヤニヤしだしたひかり。ちょっとイラッときましたがそこはお姉さんとしてグッとこらえます。
「ん〜、どうしようかな〜? そんなに知りたい? ねぇ、知りたい?」
我慢です。私は心の広い出来たお姉さんなのです。
「ん〜、やっぱり秘密♪」
ムカついて思わずチョップした私は悪くないと思います。
「ルカ。今日の分のお薬です」
病院の医師から受け取った薬と水をトレーに乗せて私はルカの元へと歩み寄る。
朝食を終えて今は室内に流している音楽に耳を傾ける彼。
瞼を閉じて静かに音楽に聞き入る姿は神でもないのに神々しく感じてしまう。
「うん、ありがとうナタ」
見えない眼を私に向けて笑顔を作るルカ。
「礼には及びません。私達は貴方の姉ですから」
私達三柱はルカが神殺しとなった日から一緒にいる。名もなき森の奥深く。人間が立ち寄らぬその地で始まった私達の生活。
「今日は何が何がしたいですか? 」
あの頃はこの子にホント手を妬かされたモノだ。まだ乳飲み子だった彼に子を持つエリスが母乳をあげたがいつまでたっても乳房から口を離さなないので大慌てしたり。泣きわめく理由が分からずとまどったり、寝静まりさて自分達の仕事をしようと少しはなれれば気配で泣き声を上げた。
「今日は大人しく音楽でも聞いてるよ」
物心が付けば母より簒奪した力の使い方を教えた。時には水汲みをし、時には狩をした。時には叱り、時には褒め、そして共に笑った。
「ひかりのもとへといきませんか?」
いつからだろうか。ルカがあまり我が儘を言わなくなったのは。
「看護
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ