第14局
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とを私に教えてくれたの?」
「…今のヒカルは、自分のことよりも佐為が大事なの。あなたには佐為の扇子が見えた。ヒカルと私以外には見えないのに。だからだと思う。でも、私にはヒカルも大事なのっ!」
そう言いながら、あかりは涙をこぼし、再び頭を下げた。
「だからお願いします。他の人には秘密にしてくださいっ!お願いしますっ!」
「あかり…。」
「あかりちゃん…。ごめん、ごめんね、そんなことしないで頭を上げて。」
そういいながら、奈瀬はあかりの体を起こす。
「ごめん、とても大事なことなのに、おちゃらけちゃって。私が悪かった。もちろん秘密にする。無条件に。絶対誰にもしゃべらない。」
「奈瀬さん…。」
「あかり、ありがとな、オレなんかのためにそこまでしてくれて。」
そう言ってヒカルもあかりの頭をなでる。
正直ヒカルは、あかりが自分のことをここまで考えてくれているとは思ってもいなかった。
あかりの真摯な言葉に心を打たれていた。
あかりは急に恥ずかしくなったのだろう、顔を真っ赤にしたまま、うつむいてしまった。
「ごめんね、色々お騒がせしちゃって。」
「私こそすいません、生意気なこと言っちゃって…。」
「いーのよ、私が悪かったんだから。気にしないで。」
―ほら、ヒカル!
―ああ、分かってる。
「時々だったら構わないよ、奈瀬さん。」
「えっ!」
「だからさ、時々だったら打つよ。オレでも佐為でも。それに、あかりとも打ってやってよ。」
「えっ、でも、いいの?」
ヒカルの言葉に驚きながら、あかりにお伺いを立てる奈瀬。
「…うん。奈瀬さんなら信じられる。よかったらたまに打ってください。」
「うわっ!ありがとーっ!あかりちゃんかわいーっ!大好きっ!」
そう言って満面の笑顔であかりに抱きつく奈瀬。
「うわっ、えっと、あの。」
あわてるあかりの耳元で、奈瀬は小さくささやいた。
「ヒカル君との邪魔はしないようにするから安心してねっ!」
その言葉で耳の先まで真っ赤になるあかりだった
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