暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
四十五話:いつか泣きたくなるとき
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ようになったところなので、散々笑顔も振りまいて!

「元気になって、よかったよ。お人形さんみたいに可愛い子だと思ったけど、昨日はほんとに、表情もお人形さんみたいだったからね。笑顔のほうが、よっぽど可愛いね!」
「ありがとうございます!」

 可愛いとか散々言われ慣れてるけど、褒められればやっぱり嬉しいものだね!
 昨日はもう笑えないかもなんて、ちょっと思っただけに!

 にこにこ笑顔を返してくれるみなさんを見渡して、色々と気になることが。

「……みなさん。大人の人ばっかりですね?」

 なんか、子供が優先して(さら)われて来てるイメージだったんだけど。
 この段階では、そうでも無いんだろうか。
 労働力としては、即戦力にはならないし。
 勇者世代は、まだ生まれてないわけだから。

「そうだねえ。大人か年寄りばっかりで、子供はドーラちゃんたちが初めてだよ。ほんとになんで、こんな子供をねえ。働かせるなら、大人のほうがいいだろうに」
「なんででしょうねえ。……お仕事は、まだなんですか?」

 朝も暗いうちから叩き起こされて、夜遅くまで働かせられた上に、食事も睡眠も最低限しか与えられなくて、痩せ細って憔悴してるイメージだったんだけど。
 最初に見たじいさん以外は、みんな、わりと普通の体格。
 みんな起き出してるのに、食事が無いのはともかく仕事も無い。

「あたしたちも、連れられてきてそんなに経って無いんだよ。近々なにかの工事を始めるらしくて、それで集められたみたいなんだけどね」

 ああ、地獄はこれからですか。
 猶予期間があっただけ、想定よりかなりマシだね!

「お仕事が、無いなら。お食事も、無いんですね?」

 働かざる者、食うべからずの精神で!
 なにしろ、奴隷だし!

「ああ、食事なら。そろそろだね」

 と、おばちゃんが言い終わったいいタイミングで、昨日私たちが放り込まれた扉が開き、袋が投げ込まれます。

「勝手に食え」

 人間ぽいヤツ(魔物)が、一言。
 そしてまたすぐ閉まる、扉。

「ああ、丁度来たね」

 あの無造作に投げ込まれたずだ袋の中身が、食糧ですか!
 堅パンとか生の芋とか、そんな侘しい感じですね、きっと!
 ここのみんなの様子ではそんなこと無いだろうが、下手すると奪い合いの発生しかねない、質も量も満たされない、炭水化物のみで構成される感じの!

「ドーラちゃんは、料理はできるのかい?」

 前世ではやってたし、今回もサンチョのお手伝いくらいはしてたけど。
 電気もガスも無い環境で、六歳のちびっこでも、ひとりでできるもん!と言い張る自信は無い。

「お手伝いくらいなら」
「まだ子供なんだし、十分だよ。ヘンリーくんは?」

 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ