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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
四十五話:いつか泣きたくなるとき
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きて。


 ああ、そうだ。
 お父さんが、死んじゃったんだ。
 もう、いないんだ。


 気が付いたら、止まってた感情も、急に動き出して。

 でも、夜中なんだから、みんな寝てるんだから。
 静かに泣くなんて無理そうだし、大声で泣いたら迷惑になるし。
 今は、我慢しなくちゃ。
 せめて、朝になって、みんな起きるまで。

 と思って、口に手を当てて堪えます。
 大丈夫、ちょっと我慢すれば、治まるか寝落ちするか、できるから。

 と、できるだけ何も考えないようにして時間が経つのを待ってたら、またしてもヤツが。

「我慢するなよ。泣け」

 とか、頭を抱き寄せながら言いやがりまして。

 いつ起きたんだよ、さっきは間違いなく寝てただろ、大泣きして怒られたらどうしてくれる。

「怒鳴られたら、代わりに謝ってやるから」

 思考を読むな。
 代わりに謝られたって、顰蹙を買うのは私なわけで。

 文句の一つも言ってやりたかったけど。

「……ひっ……ひっ、……くっ……」

 漏れてくるのは、文句では無くて。

 やめろ。頭ぽんぽんとか、するな。

「……うっ……ひぐっ……」

 一回こうなったら、もう無理なわけで。

 もういいや、精々頑張って謝ってよ、どうせ大泣きする私には聞こえないから。

「ひっ、ひぐっ、うっ、うえーん……!お、おとう、さん……!うっ、ひっ、えーん……おとうさん、おとうさん……!」

 散々迷惑かけた上で、あとで散々文句も言ってやろう。

 とか理不尽なことを考えながら、『私』とヘンリーの思うツボに。

 規則正しくぽんぽんされながら、他人の迷惑も省みず。
 深夜に大泣きしてしまったのでした。





「ヘンリーはずるい」
「いきなり何だよ」
「あんなんされたら普通に泣く」
「泣かせようとしてたからな」
「ずるい。ひどい」
「意味がわからん」
「謝って。私に、謝って!」
「あー、はいはい。悪かった、悪かった」
「誠意が感じられない!」
「ねえもん、そんなの」

 翌朝。
 予定通りに理不尽にヘンリーを責め立てる私と、めんどくさそうに受け流すヘンリー、なんか温かく見守ってくれてる感じの周りの方々。

 なんだよ、いい人だなあ、みんな。

「という冗談はともかく。ありがとうございました」
「おう」

 お蔭様で、顔も動くようになりました!
 このまま、無表情キャラを開発するしか無いかと思ってました!

「みなさんも、ありがとうございました。うるさくして、済みませんでした」

 周りのみなさんにも、お礼と謝罪。
 見た感じ誰も怒って無いし、怒られもしなかったみたいですけど。
 折角動く
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