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転生とらぶる
魔法先生ネギま!
0357話
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いいだろう。だが、それでもさすがネギと言うべきか顔面から着地とかではなく何とか足で着地する事に成功していた。
 もっとも、着地したその瞬間に足がもつれて床へと片膝を付くような有様だったが。

『こ、これは……言葉に出来ない程の凄まじい連続攻撃。私の目には半ば分身しているようにしか見えませんでしたが……ネギ選手、まだ戦えるのか!?』

 朝倉の声が聞こえたのだろう。よろよろとだがその身を起こす。

「……まだやれるのか?」
「やれまふ」

 こちらからの攻撃で顔は腫れ、赤黒く出血している箇所も多数ある。それでも、そう、それでも尚ネギは立ち上がり俺へと向かって拳を構える。
 その様子は、確かに英雄と呼ばれたであろう父親の血を引いていると感じさせる……いや、それはネギに対する侮辱だな。ネギ自身から微かにではあるが一種の英雄的なカリスマを感じさせるのに十分なものだった。

「そうか。けどそろそろ限界だろう。なら、次の一撃で決めさせて貰う。……構わないな?」

 俺の問いに、ネギは一言も漏らさずに黙って拳をこちらへと向ける。
 観客席がしんっ、と静まりかえる中で緊張感が周囲を包み込む。……ネギがバランスを崩すようにして上半身を倒れ込み……そのままの勢いを付け、最後の魔力を振り絞った瞬動を発動。一瞬にしてこちらの懐へと潜り込み、倒れ込んだ時の姿勢のまま俺に体重を預けるようにして動きを止め、そのまま左右の拳で俺の鳩尾と喉を狙った裏拳を放ってくる。
 まるでこちらに絡みついてくるようなその動きは、なるほど、中国拳法独特のものなのだろう。
 預けられた体重をいなし、ネギの重心をずらして拳の威力を殺す。この至近距離からでは攻撃を回避するのは無理と判断し、拳の威力を殺した上でさらに打点をずらす。鳩尾の一撃を脇腹に。喉の一撃は顎を引いて額へと。
 ミシィッという音が拳の命中した脇腹、いわゆる肋骨から響き……空いていた左拳でネギの顎を擦るような一撃を放つ。

「あ……」

 既に体力的にギリギリだったのに加えて、顎を打たれた事により脳が揺らされ……そのまま脳震盪を引き起こしてネギの意識は断たれ、床へと倒れ込んだ。
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