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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-34名を名乗る
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うーん?……うん、そう、なのかも」
「聞いた限り、特別に長い名前の方は、居られぬようでしたから。そう、時間がかかることも、無いと思いますが」
「嬢ちゃん以外で誰か、覚えたのか?王子様くらいは」
「……」

 マーニャの問いに、沈黙で答えるライアン。

「……覚えてねえのかよ」

 振っておきながら、驚くマーニャ。

「重症だな、こりゃ。期待しねえで、長期戦でいこうぜ」
「名前以外なら、問題ないんですよね?肩書きのようなものなら」
「はい。それは、勿論」
「それなら、当面はそれで呼んでもらえば、不都合はないですね。アリーナは、不本意でしょうが」
「事情が事情だからな。精々、早く覚えてもらえるよう、頑張るとしよう」
「……面目ありません」

 表情に変化は無いながら、沈み込んだ雰囲気を発するライアンを、クリフトが励ます。

「誰でも、得手不得手はあるものですわ。どうぞ、お気になさいませんように」

 顔を上げ、感謝を込めてクリフトに微笑みかける、ライアン。

「お気遣い、(かたじけ)ない」
「……!!」

 目を見開き、一気に顔を赤くするクリフト。

「い、いえ!!当然の、ことですわ!!」

 挙動不審になりながらも、なんとか返答する、クリフト。

「あらあら。まあまあ」

 少し赤らんだ頬に、手を当てるトルネコ。

「ふむ。眼福じゃの」

 動じず、呟くブライ。

「……そういうタイプか」
「……本当に、色んな意味で、アリーナと……」

 微妙な顔で眺める、マーニャとミネア。

「俺が、どうかしたか?クリフト、どうした?」
「い、いえ!何でも、無いのです!何でも!!」

 目の前のライアンと隣のアリーナの間で激しく視線を彷徨わせ、さらに動揺を増すクリフト。

「……クリフト?……大丈夫?」

 クリフトに歩み寄り、心配そうに顔を覗き込む、少女。
 間近に寄られて、思わず少女を見つめ返す、クリフト。

「…………はい。ありがとうございます、ユウさん。本当に、ありがとうございます」

 少女のまっすぐな瞳を見つめるうちに、落ち着きを取り戻したクリフトは、少女に礼を繰り返す。

「……?なにか、わからないけど。大丈夫、なのね?」
「はい!ユウさんの、お蔭です!ありがとうございます!」
「そうなの。よかった」

 微笑む少女に、クリフトも心底安心したように、微笑み返す。

「……嬢ちゃんは、すげえな」
「ほんとだね」

 気を取り直して、トルネコが仕切る。

「さあ、さあ。素敵な戦士さまをお迎えして、盛り上がるのは、仕方ないけれど。お話しすることはたくさんあるし、ライアンさんだけに名乗らせて、いつまでも名乗らないのではね。あた
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