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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-34名を名乗る
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ーニャ殿が共に赴き、戻って再度ルーラで向かうのであれば、可能じゃが。そう、急ぐこともあるまい。なんにしろ、詳しい話は落ち着いてからじゃの」
「そうですわね。時間はかなり早いですけれど、いろいろとお話も、ありますし。まずは、宿を取ってしまいましょう。」



 宿を取り、大人数で話し合うために確保した大部屋に集まる。

「キングレオの城で、私たちのことだけでは済まない、重要な情報を得たのですが。ライアンさんもおられることですし、まずは自己紹介からということで、いいでしょうか」
「うむ。そうじゃの」

 ミネアの問いかけにブライが応じ、他の面々も、頷く。
 ライアンが、口を開く。

「それでは。私はバトランドの王宮戦士、ライアンと申す者。我が国で起きた事件を切欠に、勇者殿の存在を知り。職を辞する覚悟で、勇者殿を探し、見付け出して守る旅に出ることを、我が王に願い出ましたが。許しを得て、身分を保持したまま、旅を続けておりました。ホイミンとは件の事件の調査の折りに知り合い、以来同行しております。自分は一介の戦士故、戦うことしか、能が有りませぬが。どうぞ宜しく、お頼み申す」

 ホイミンがホイミスライムであったこと、旅の目的は人間になるためであったことは、再会の場に居合わせなかったマーニャとミネアも含め、既に全員が知っている。

「バトランドは、戦士の国として有名だからな。ライアン殿の強さを見れば、それも納得だが。是非、手合わせを願いたいものだ」
「光栄です、殿下」
「アリーナと呼んでくれ。皆にもそうして貰っている。仲間だからな」
「は。しかし。自分は、王宮戦士でありますれば。他国の王子殿下を、呼び捨てとは」
「そう、固いことを言うな」
「王子。無理強いをするものではありませんぞ」
「そうですわ。呼び捨てが難しいなら、アリーナ殿とお呼び頂くのではどうでしょうか」
「それもそうだな。ライアン殿、どうだろうか」
「は。それなら、何とか」
「……あ!あの!」

 ホイミンが、口を挟む。

「どうした?ホイミン」
「あのね!ライアンさんはね!ちょっと、……かなり、……すごく。人の名前を覚えるのが、苦手でね?みんなの名前、すぐ、覚えるのは……ちょっと。難しいかも、しれない」

 言葉を選びながら、言うホイミン。

「なんだ、そんなことか。覚えるまで名乗ればいいだけだ、問題無い」
「嬢ちゃんの名前は、すぐ呼んでたよな?」

 事も無げに言うアリーナ、疑問を呈するマーニャ。

「ユウちゃんは、……覚えやすいから。ぼくとおんなじで、覚えやすい、名前だから。それと、ライアンさんがずっと探してた、大事な勇者さまだから」
「そういうことか。なら、キャラを立たせて、覚えやすいようにしてやりゃ、いいんだな?」

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