外伝〜if/ライが行ったのが、水の惑星であったら〜(クロスARIA)
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そう言われてライはアリシアをジッと見つめる。
「うふふ」
見つめられている本人は頬に手を当ていつもの笑顔を浮かべていた。
「……いました」
「どんな奴だ?コイツと一緒で天然か?」
「あらあら」
ライは一瞬、悩むような顔をした後正直に話した。
「なんというか……いたずら好きというか、お祭り好きというか、割とはっちゃけた人でした」
ライの答えが意外だったのか、始めはポカーンとした表情をしていた二人であったがすぐにクスクスと笑い出すのであった。
「ア、アリシアの声で、はっちゃけって、くっ、ハハ……」
「あらあら、うふふ」
晃はよっぽど可笑しかったのか笑いを堪え、アリシアはいつもと同じく笑っていた。
原作四巻「レデントーレ」より
ARIAカンパニー
日が沈み、星が海を照らし出すその時間、ライはARIAカンパニーの近くの沿岸である準備をしていた。
このネオ・ヴェネツィアには『レデントーレ』と呼ばれる、日本で言う屋形船で夕食会を行うお祭りがあるのだ。
そして今回、見習いウンディーネである灯里、藍華、そして二人と同じくウンディーネを目指し友達でもあるアリスの三人がレデントーレを行う際に、屋形船を一隻借りてその夕食会を執り行うことになったのである。
そしてその事を聞いたライは彼女たちにお客として呼ばれたのだが、居候の身としてはお客になるのは気が引けたので、今回は用意をする側として協力を申し出たのである。
最初は渋る三人であったが、ライの気持ちをくんでこれを承諾。そしてライが準備するのは祭りの最後に打ち上げられる花火である。
もちろん、ライにはその知識も技能もなかったが、話が決まってから、花火職人にそのノウハウを伝授してもらい、早くも大玉を作れるようになっていた。この男実に器用である。
そして祭りの当日、花火の準備の関係で結果的に屋形船に乗り込むことが出来なかったライはあらかじめ用意されていた軽食とワインを、花火の見える場所で食べられるように準備をしていた。
「乾杯」
準備が整い、花火が上がったその空にグラスを掲げてライはそう呟いた。そして軽食を早々に食べ終え、ワインで喉を潤しながら花火を見つめていた。
その花火を見つめながら、ライは元の世界の思い出を脳裏に浮かべていた。
生徒会メンバーで行った温泉旅行。その時もこうして花火を見ていた。その時は周りに親友たちがいたが、今はいない。そのことを実感してしまったライは目尻に涙を浮かべた。
「お疲れ様」
ふわりとライの鼻腔に女性特有の香りが伝わる。それと同時に、椅子に座っているライは後ろから包むように腕を回され、顔の横からその言葉を囁かれた。
「アリシア
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