外伝〜if/ライが行ったのが、水の惑星であったら〜(クロスARIA)
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はライの方に向かった。
「え?」
ライを見つけたアリシアは、ライの頬に残る涙跡を見つけ驚きを呟きで表した。
当人であるライは桜をどこか愛おしむ様に、懐かしむ様に、そして悲しむ様に見つめていた。その姿が何故か痛々しく見えたアリシアはライの横に静かに腰を下ろす。
「……見つけた時、もう手遅れだったならどうします?」
「……」
ライは目線を桜に固定したまま、静かに隣にいる女性に問いかけた。
問いかけられた本人は、ライの方を見るがその質問に彼がどんな気持ちを込めたのかはわからなかった。
しかし、だからこそ彼女は自分の考えを素直に話す。
「私は――素直に誰かに相談すると思うわ」
「……そうですか」
ライは彼女の答えに悲しい笑顔で答えた。そこに込められたのは後悔か、それとも羨望か。
「あなたはすごいですね」
最後の言葉に込められたのが羨望であることはアリシアも察することが出来ていた。
原作三巻「水の3大妖精」より
ARIAカンパニー
ライはその日も、自分の職場である受付で事務仕事をこなしていた。
いつもと同じようなその日、いつもと違うことと言えば灯里の友達である藍華が来ていることぐらいである。藍華はARIAカンパニーではなく、姫屋という会社で灯里と同じく一人前のウンディーネを目指している。
そんな彼女が何故か今日は家出して(?)来ていた。
事務仕事の為に必要な書類を取りに部屋の奥に一旦引っ込んでいたライは、店の外が騒がしくなっていることに気付いた。
「なんだろう?」
必要な書類を持って受付に戻ると、そこには灯里、藍華、アリシアの他に見知らぬ女性がいた。そして何故かそれぞれにゴンドラに乗った灯里と藍華を見送った二人は、そこで初めてライの存在に気付いた。
「む、誰だ?」
その見知らぬ女性の疑問に答える前に、ライはその女性の強気な雰囲気と声からある一人の女性を思い出し思わずといった風にその名を口にした。
「コーネリア皇女?」
「誰だそれは?」
「あらあら」
初対面同士の出会いは割とグダグダであった。
立ち話も変と思った三人は揃ってお茶をすることになった。そこでライと件の女性、晃はお互いに自己紹介をする。彼女はアリシアと所謂同期であり、彼女と並んで3大妖精と言われているウンディーネであった。
「それで、さっきお前は私と誰を間違えたんだ?」
「えっと、その、自分が以前住んでいた国の政治家の女性と声と雰囲気が似ていたので、その人と」
「ほう」
「あらあら」
ライの話に興味を惹かれたのか晃は笑みを浮かべていた。
「なら、アリシアに似ている奴はいたのか?」
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