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クロスオーバー
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プロローグ
「ニューハーフ、ミスダンディ、ショーパブ・・・ねえミスダンディって何?」
「オナベのことじゃない?」
「あーそうゆうことなんだ、じゃあ、ここだね、場所はえ〜と、弁天町?」
「弁天町なら近くだよ、ここから電車で3駅先かな」
ミッコは横浜駅近くの漫画喫茶のパソコンで横浜周辺のバイト先を探していた。
一週間前、実家の有る小樽から友達を頼って横浜に来ていた。この3日間、一人でバイト先を探してはみたもの、店の前に行っては店内で働く従業員の姿を見てはあきらめて帰ってくることの繰り返しだった。
予め準備していた履歴書は一通も使っていなかった。
見かねた友達から「とりあえず夜で探してみたら」とアドバイスされて、その友達と
一緒に漫画喫茶にいた。
「やっぱりあんまり無いんだねー、限られるよ、さっきの弁天町は」と言って友達がページを戻した。
「横浜、ショーパブ、「OLIVE」 従業員随時募集だって、ここに電話してみたら?」
「代わりに電話してくれないかな?」
「あんた、自分のことじゃん、自分のことは自分でしな!」
といいながら友達はミッコの携帯に店の電話番号を入力して渡した。
「えっ、うそ!」
電話の向こうで誰かが出てしまった。
「あのー、済みません、従業員の募集はしていますか?」
「あっ、募集の広告見たのね?」
「はい、あの、オナベって・・・」
「あっ、オナベちゃんね、先ずは店に来てみたら?今日でも大丈夫よ」
「今日ですか?」
「うん、今、どこにいるの?」
「あの、横浜駅です」
「じゃ今からすぐ来れるかしら?9時から営業始まるから、その前に来てよ、場所は
わかる?」
「えっ、あっ、なんとかわかります、じゃあ行きます」
消え入りそうな声で返事をして、ミッコは電話を切った。
「こんなに早い展開でいいのかな?」
「いいじゃん、店まで一緒に行ってあげるよ」
漫画喫茶のあるビルを出ると7月の湿気を沢山含んだ暑い空気の中、夕方の帰宅時間と相まって駅までの道と駅ビルの中は人々の姿でごった返していた。ミッコはその人の流れの隙間を縫って、友達の後を追いながら駅の構内へ吸い込まれて行く。
二人はJRの券売機の上の案内板で行き先と乗車料金を確認して切符を買い、自動改札機に切符を通して改札を通り過ぎる。その先に続く階段を昇りホームに上がると、丁度滑り込んで来た電車に乗れた。
扉が閉まり、走り出した電車の窓から見えるホームと、そこを行き来する人々を眺めながらミッコは呟いた。
「やっぱりこっちは人がいっぱい居るね」
「うん、私も最初は緊張したけど」
その友達はミッコより三ヶ月前に小樽から横浜に出て来ていた。
ミッコとその友達は高校を卒業した後に、小樽のファミレスでバイトをしているときに知り合った。美容師を志望していた友達
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