嵐の後 (簡易番)
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そうするしかはけ口が見つからなかった。きっと切嗣なりに最善を尽くしたのだろう。だが、納得がいかなかった。もし、もっと上手く立ち回ってくれれば、或はラウラは……
待て。何で死んでないんだ?心臓を刺されたんだぞ?そんなに軽傷だったのか?
「気が付いたみたいね。不思議なことに、意識は回復しないものの、医者の見立てでは命に別状はないとの事よ」
「嘘だろ……」
「有り得ないとは思うが、幸いこれは現実だ」
「じゃあ、このチューブは……」
「念のためらしい」
改めてラウラを見る。その顔は、どこか安らいでいるように見えた。いつ目覚めてもおかしくないように見える。声をかければ、悪態をつきながら、目を擦りながら起きてきそうだ。
「でも何でそんな都合の良いことが……」
「まあいいじゃない。何事も無くて」
「そうだな」
それより、と。
「これから色々大変そうね。今の学園は完全に弱り切っている。あんな襲撃はもう無いとは思うけど、現状まともに戦えるのは一部の先生と生徒会長だけよ」
「せめて織斑先生がいればな……」
その後、一夏は病室に連れ戻され、二人は学園の復旧に忙殺されることになった。鈴音は代表候補生として。箒は篠ノ之の関係者として姉に連絡が取れないかと。結果として、受けた被害自体はさほど大きくは無く、直ぐに元通りになった。実際に校舎が壊れた訳でもなく、システムの乗っ取りも一時的なものだったらしく、再興にはさして時間を取らなかった。だが、
「どこに行っちまったんだよ?切嗣、千冬姉……」
そこに二人の姿は無かった。
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