第二部 文化祭
第9話 文化祭の出し物
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ってくる姿を想像した。
──と。
「まりあ、ちょっといいか?」
想像は、本物になった。少し嬉しくなる。
「どっ、どうしたのですか?」
「いやー、文化祭の出し物が決まらなくってさ」
「そうですか」
「ああ。なにか案くれないかなーとか思って来てみたんだけど……邪魔、だったかな?」
「そそ、そんなわけないです!」
「──あ」
和人がなにか思いついたようにパン、と自分の手を合わせた。
「まりあが手伝ってくれないか? 唄ってくれるとか」
まりあは大きくかぶりを振る。
「人前で唄うだなんて、私には無理です。緊張しすぎて緊張どころじゃなくなりますから」
「そ、そっか。そういえば昨日の歌、なんて題名? 有名なやつ?」
「……オ、オリジナルです」
「オリジナル……って……」
和人が目を見張る。
──やっぱり、ドン引きかなぁ……。
まりあがしゅん、と俯いたのに対し、和人は。
「すごいな、まりあ! そんなことできるなんて!」
予想外の反応にまりあは一瞬驚いたが、嬉しさにたちまち笑みが溢れた。
だがハッと我にかえり、表情を曇らせた。
「い、いえ。誰でもできることです」
「そうかな? 少なくとも俺には無理だけど」
和人が苦笑する。
「とりあえず、ちょっとついてきてくれ」
「え、ちょっとって……」
和人はまりあの手を掴むと、突然走り出し、そのまま音楽室を出た。
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