第31話 桜通りの吸血鬼−その1−
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教会から寮へ帰るところから記憶が跳んでおり、起きたら保健室だったという話しだ。
これはエヴァにより記憶が改竄されているか、ネギの試練の話しを聞いており、話しを合わせているかのどちらかだろう。
シスターシャークティーを見る限り、今回の件を余り気にしていないようなので、後者の可能性が高いか?
ちなみに首元や制服にわざとらしい魔力の残滓が感じられ、ネギも直ぐに気付たようでぶつぶつ言っている。
ただ、考え事も良いけど春日に一声ぐらいかけてやれよ。
あ、ぶつぶつ言いながら保健室を出て行った。
大丈夫か? アイツ。
☆ ★ ☆
夜。
なお、木乃香に確認したら、エヴァに相談を持ちかけられ、少しばかり力を貸すらしい。一応エヴァにも確認したら、学園長と契約書を交わし、ネギが死亡せぬよう、後まで残る身体的なダメージはないよう戦闘すると契約したらしい。
で、今日仕掛けるようなので桜通りにはサーチャーを飛ばし、何かあっても対処できるようにしておく。
ちなみにネギも何か思うところがあったのか、夕方から桜通りをウロチョロしている。
木乃香、宮崎、綾瀬、早乙女の元図書館島探検部の4人と神楽坂の5人で今日は帰るようだ。
で、何か買い忘れのある振りをしたのか? コンビニで買い物をした後、木乃香だけが他の4人と別れ、わざわざ1人で帰るために距離を取る。
強い風が吹き、桜の木が揺れ、花びらが舞い散る。
人払いの結界が張られ、ピタッと音が止まる。
キョロキョロと周りを見渡し、桜並木を見ると、1本の街灯の上に何かが立っている。黒いマントに黒のとんがり帽子。
「え?」
ぷぷぷ、と笑うのを抑えるように木乃香は下を向く。
………。
台無しだ。
気持ちはわかる。
あまりにも典型的すぎる魔法使いスタイルなんだが、その背丈から魔法使いと言うよりも魔女っ子というほうがしっくり来る。何も知らなかったのならともかく、ネタバレしている状態だと、街灯の上に立っていることすら典型的過ぎて、恐怖よりも笑いが込み上げて来る。
「チッ。13番、近衛木乃香。悪いけど少しだけ、その血を分けてもらうよ」
木乃香の感情に気付いたのか、エヴァは舌打ちして、マントをはためかせ、木乃香に向かって飛び降りる。
「待てーっ!」
丁度良いタイミングで、杖に乗ったネギが現れる。
ふむ。このタイミングで来るのなら、さっきまでの芝居じみたやりとりは正解か。
とりあえず、木乃香は恐怖で気絶した振りをするようだ。「うーん」とか言いつつ、そのまま
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