〈……一方その頃〉
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「あの化け物が、高度な目くらましを用いたようです。申し訳ありません、取り逃しました」
「……使えぬ犬め」
空気が振動し、黄金の弾丸がアサシンに高速で飛来した。アサシンの姿が消えると同時に、小爆発が起こった。
「きゃぁぁぁ」
膝を折り、紗江が身体を震わせる。
「逃げ足だけは優秀だな、綺礼」
「アーチャー、そのくらいにしてくれはくれぬか? まだアサシンには、働いてもらわねば困る」
「……よかろう。だが、俺の寛容は安くは無いぞ。次に無駄足を踏ませる事は許さん」
「心しておこう」
仄かな笑みを浮かべた綺礼が、未だ座り込んで身体を震わせ紗江の方を向いた。
「さて、本日の訓練は終了です。帰るとしましょう」
微笑む綺礼が、紗江に右手を差し出す。
「……え? えっと、あの、はい。あ、その、ありがとうございます」
震える少女が、綺礼の手を取った。柔らかい肌の温もり。少女を立ち上がらせるのは、素晴らしく甘美だった。
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