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アマガミフェイト・ZERO
〈……一方その頃〉
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せめてのたうち、這いずりまわる姿で俺を興じさせよ」
 アーチャーの背後に浮かぶ武器が、高速で飛んでいく。武器は超イカ男を通り越し、屋敷の上に落ちる。閃光と共に轟音が巻き起こり、爆発が起こる。アーチャ―の宝具、ゲートオブバビロン。かつて全世界を支配下に置き、この世のあらゆる財、あらゆる道具、あらゆる武器、防具を一手に集めた、バビロニアの英雄王ギルガメッシュ。世界最古の英雄である彼の宝物殿への直通扉こそが、ゲートオブバビロンなのだ。ギルガメッシュは己が所有する武器を、高速で打ち出す戦闘スタイルを使う。それゆえに、ギルガメッシュはアーチャ―なのだ。
「お、俺を無視するとは、いい度胸じゃなイカッ!」
 超イカ男が顔を強張らせる。身体から伸びる十本の黒い手が、どんどん伸びて、アーチャ―の打ち出した武器を叩き落とそうとする。
「無礼者がっ!」
 金色の無数の塊が、宝物殿から高速でマシンガンのように射出された。
「汚物の分際で、俺の物に触れるでないっ!」
 打ち出されたのは、拳大程もある金塊だ。しかも只の金塊ではない、古の魔術が溶け込んだ魔力を持つ金塊だ。普通のものとは比べ物にならない程の強い輝きと価値がある代物だ。アーチャ―はその金塊を、まるで石ころでもあるかのように、惜しげも無く連続で打ち出す。驚異的な速度で宝物殿から放たれた金塊は、まるでロケット弾だ。秘めた魔力が破壊の力を増幅し、驚異的な攻撃力を叩き出す。それが何発も連続で打ち出されるのだ。破壊力は数倍、いや十数倍にも膨れ上がる。轟音と共に、爆発が連続で巻き起こる。
 圧倒的な力で全てを粉砕してなお、アーチャ―の怒りは益々激しくなる。
「王に汚物処理をさせるとは……、アインツベルン、どこまで俺を愚弄するかぁぁぁ」
「イカーーーーッカッカッカッカ! 全然効いていないじゃなイカッ。この調子なら、仮面英雄イナゴマスクも楽勝なんじゃなイカ?」
 爆発が全てを吹き飛ばしたかのように見えた。だが立ち上る煙が消えると、超イカ男が、下卑た笑みを湛えながら、仁王立ちしていた。しかも驚いた事に、傷一つ身体に付いた様子は無い。
「汚物めが……」
 アーチャ―の眼がこれまでに無い程、憤怒で鋭く尖る。ゲートオブバビロンの光の扉が、二回り以上も巨大になった。
「イナゴマスクは、あ、あなたなんかに、負けませんっ!」
 言峰の後ろから、紗江が勢い良く飛び出した。
 超イカ男の不気味な赤い眼が、紗江を睨みつける。
「イカカッ! じゃあ仮面英雄を呼んでくるといいじゃなイカ! 俺様は逃げも隠れもしないっ。それとも、恐れをなして逃げ隠れてるんじゃなイカッ!?」
 超イカ男が、聞く者を逆撫でる下卑た笑い声を上げる。
「貴様ら、王の前であるぞ!」
 超イカ男に向かって、無数の剣や槍が振り落ちて来る。超イカ男の脚が、それ
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