リスと愛とカット
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愛を…
愛を証明してよ と、
君は 泣き崩れた
僕は 困ったような顔して笑って
ただ立ち尽くす
そんな僕のズボンの 裾を掴んで
再度 言葉を紡ぐ君
白く細い その両手
今にも折れてしまいそうで
振りほどく勇気も無い僕は
答えられないくせに 君を拒めない
愛はどこからやってくるの
とても不確かな この感情は
頭を割って君に見せれば
何か証明出来るのかな
未だ すがり付く君は
赤く瞳を腫らして
私の愛を知ってよ と
手首を裂いてみせたの
溢れる愛
此が証明?
信じられない
此が愛なんて
冷えていくよ
固くなって
動かなくなる
証明なんてできないよ
きっと愛は そんなもの
証明なんてできないもの
だって裂けた君の中から
溢れる此は愛じゃない
君の愛が伝わらないよ
抱き締めた小さな体
閉じられた 二つの瞳
聞こえない 君の声
立ち上がる僕
そして答える
僕は君を
「君を、愛してる」
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