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僕のお母さんは冥界の女王さまです。
拝啓お母さん。彼女が会いにきてくれました。
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いのですが」

「娘。名をなんという」

「は、私はこの日ノ本で媛巫女となるべく修行をしております。万里谷ひかりと申します」

 震える口調でなんとか自己紹介を済ませる。正直言って怖い。目の前にいるのは何故なら神なのだから。

「では妾の真名を申してみよ」

「恐れながら御尊名を申し上げます。御身は夜の落とし子、神の憤と罰を司る女神、ネメシスであらせられます」

 顔を下げたまま彼女の名前を口にする。
 目の前にいるのは夜の女神ニュクスが産んだ神々の一柱。神罰、憤情、復讐を司る冥界の女神だ。

「万里谷ひかり」

 彼女の影が私を覆う。

「妾は考えたのだがやはり神罰は必要だ」

 私は耳を疑った。

「この国島国は我等が皇子に無礼を働く者が多すぎる。王も妃も嘆いておられた。何故我が子が人間ごときにあぁまで無下にされなければならないのかと」

 冷や汗が全身を伝う。不味い、この国に属するカンピオーネはいない。彼に頼めたとしてもそれまでに多くねの人々が死んでしまう。

「 御身のお怒りはごもっともでございますがこの国の者に直接の非はございませぬ!」

「故に神罰を下す」

「お待ちください!!ーーーっへ?」

 顔を下げた直後。私は呆けた声を出した。

 何故なら目の前の女神がしゃがみこみ笑顔で私の頭を撫でていたからだ。

「あっはっは。冗談だよ」

 なにがなんだか分からない私は混乱した表情で女神ネメシスを見つめる。

「昨日ちゃんと言ったろ? “我が名を持って謝罪する”って。私は神罰を下すつもりはないよ。っていうかあんなので神罰下してたら地球の人口激減だっての」

 目の前にいる女神にはもう昨日のような神々しいオーラはない。あるのは男勝りなお姉さんといった雰囲気しかなかった。

「・・・・」

 呆然としその場に崩れ落ちる。腰が抜けてしまって足腰が立たない。

「おっと、悪かったな驚かせて」

「え、え、えぇっ!?」

 突然抱き上げられた私は戸惑いの声をあげる。だけど彼女はかまうことなく私を背負った。

『うわわ、私神様におんぶされてるよ〜』

「あの場所に行けばひかりに会えると思ってたよ。若が会いたがってたんだ」

「え、ルカく。いえ、ルカ様がでございますか?」

「喋りにくいなら普通でいいぞ。正直言ってさっきから笑いをこらえてんだ」

「ひ、ひどくないですか!? ネメシス様達神様のためなのに!!」

「あっはっは。下手な言葉ほど笑えるモノはないからな」

 笑いながら歩く彼女の行き先は海浜公園の入口。そこには一台のタクシーが止まっていた。

「待たせたな」

「いえいえ、行き先はお迎えにあがった総合病院でよろし
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