暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
四十三話:六歳の決意
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
!生き、延びろ……!そして、幸せに……なって、くれ……!」
「!!」
助けろって、言ってよ。
マーサさんを、お母さんを。
まだ、生きてるって。助けろって、言ってよ。
絶対に、助けるから。
あなたの言葉を糧に、頑張るから。
「いいか、父は、……母も……!幸せ、だった……!短くとも、お前と、ドーラと、過ごせて。幸せ、だった……!」
「お父さん……お父さん……」
違うんだよ、
娘
(
ドーラ
)
じゃ無いんだよ。
偽物だったんだよ、全部。
そんなので、満足しないで。
もっと、求めてよ。
妻
(
マーサ
)
より、
偽物
(
ドーラ
)
を選ぶなんて。
そんなの、ダメだよ。
ゲマが、笑う。
「ほっほっほっ!いいですねえ!美しいじゃ、ないですか!美しい、親子愛ですよ!その美しさに免じて、
止
(
とど
)
めは、私自ら!刺してあげましょう!」
ゲマの指先に小さな火球が生まれ、みるみる大きく育っていく。
「……お父さん!私!諦めませんから!絶対に、諦めません!!」
あなたが、諦めても。
教えても、くれなくても。
母
(
マーサ
)
を助けることも、
父
(
パパス
)
を助けることも。
絶対に、諦めない。
パパスが、微笑む。
巨大な火球が、ゆっくりと放たれる。
骨の折れた足で、それでもしっかりと立ち上がり、まっすぐに火球を受け止める。
「ドーラ!!愛して」
炎に焼かれて、最後まで言い切ることは出来なくて。
「お父さん……!!」
それが、私に向けられた言葉ではなくても。
私も、あなたを。
お父さんを、そしてお母さんを。
愛して、ます。
いつか、ちゃんと。
真実と共に、伝えます。
ゲマの高笑いが、響き渡る。
「ほっほっほっ!おっほっほっほっほっ!美しい!本当に、美しいですねえ!!ご安心なさい、あなたの大切な娘は、我が教祖様の奴隷として!一生、幸せに暮らすのですから!!」
甲高い、耳障りな笑い声はしばらく続き、やがてピタリと止まる。
「ジャミ。ゴンズ。この子供たちを、運び出しなさい」
「はっ!」
「このキラーパンサーの仔は、いかがいたしましょう」
「捨て置きなさい。野に返ればやがてその魔性を取り戻し、少しは教祖様のお役に立つでしょう」
「畏まりました」
「……ん?少し、待ちなさい。その、娘のほう」
不快な指が、私の道具袋を探る。
「この宝石は……。いや……。……どちらにしても、こうしておきましょう」
金色に光る宝玉が、砕け散る。
「不快な光で、手が汚れてしまいました。さ、行きますよ」
空間がぶれて、景色が失われる。
満ち足りた顔の魔物たちに、荷物のように運ばれる。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ