暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
四十二話:最後の時に繋ぐ戦い
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ますねえ!いいですよ、いいですよ!それでこそ、遊び甲斐もあるというものです!」

 回復し切れない火傷と痛みの残る身体を、気力で動かし続ける私。
 早く、早く。
 助けて、お父さん……!!

 そんな心の叫びを嘲笑うように、私の動きを読んで放たれた火球に、身体を包まれて。

「ドーラ!!」

 ああ、お父さんが、来てくれた。

 激痛と安堵の中で、私も、意識を失った。





 気が付いたら、冷たい床に倒れていて。
 パパンが、ゲマのお供の魔物、ジャミとゴンズを吹き飛ばしていた。

 今のうちにモモの怪我だけでもと、ずりずりと這いずってモモに近付き、掠れた声でベホイミを唱え、意識を取り戻さないよう敢えて体力は回復せずに、怪我だけを治療する。

 ああ、これで、大丈夫。
 これで、きっと。モモは、死なない。

 血とホコリと(すす)で汚れ、意識は失ったままでも、怪我だけはキレイに治り、規則正しく呼吸するモモを眺めて、安堵する。

 と、後ろから首を掴まれて、宙に持ち上げられる。

「う……」

 痛みに呻き声を発する喉に、刃物が押し当てられる。
 ぼんやりしていた感覚が、はっきりする。
 ぼろぼろに擦り切れ、辛うじて引っ掛かっていたケープが、肩から滑り落ちるのがわかる。

「ドーラ!!」

 世界に、音が戻ってくる。
 決して聞き逃したくない、出来れば永遠に聞きたくない。

 最後の時を奏でる、音が。
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