圧倒
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元で小さく、だが強めに言い切った。だがセシリアはそれどころではない。
……あ、ああああ! ひ、響さんのお顔がこんなに近くに! いえ、それよりも!響さんの吐息が首筋にぃぃぃぃぃ!!!
セシリアの脳内ではえらいことになっていた。
するとそんな響たちの横を箒が駆け抜けていった。どうやら話が終わったようである、箒自身かなり焦っていたのか周りが見えておらず響たちに気付かずに駆けて行ってしまった。
それを見た響はセシリアから手を離す。
……ああ!? そんな! 響さんの香りが遠のいていきますわぁぁぁぁ……カムバーック!!
彼女は響の手が自分の口元から離れていったことが心底残念そうにうなだれた。
「何やってんだセシリア?」
響に声をかけられ、セシリアは我に帰ったように響のほうに向き直る。
「コホンっ、なんでもありませんわ。それより響さん、これから夜のお茶会でも」
「あー、悪い。今日は本音と約束があるんだ、また今度な」
そう告げると、響は足早に自分の部屋に戻っていった。後に残されたセシリアはその場にガクリと片膝をついていた。
寮の廊下を駆けながら響は先ほどの箒の言葉を思い返していた。
……ずいぶんと篠ノ之は大胆なことをしたけど、果たして一夏に届いたのかねぇ。アイツの朴念仁ぶりは異常だからな、さぁてどうなるか。
「まぁ、面白そうだからしばらく見守ってるか」
そういう響はまるで何かをたくらむ子供のように笑っていた。
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