圧倒
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ムの放出も止まり、土煙が晴れたところにいたのは、体の各部位からオイルのような液体をボタボタと垂らし、関節から火花を散らせているISの姿だった。
「あーぁ……、もう終わりかよ。つまんねーな」
大きくため息をつきながら響は心底残念そうな声を上げた。
「でもまぁ、機械だからしょうがねぇかー。仕方ねぇ楽にしてやるよ!!」
言うと同時にスラスターをふかした響は一気に接近する。黒いISも反応する暇がなくあっという間に腕を掴まれる。
響は黒いISの腕を掴んだ状態で左腕で黒いISの顔面を潰した。そして掴んでいた右腕で黒いISの左腕を引きちぎり、投げ捨てる。
「まだまだぁ!!」
叫ぶと今度は左足で黒いISを空中に蹴り上げる。蹴り上げられたISはまるで、紙の様に宙を舞う。しかも蹴り上げられた時の衝撃で片足が一本なくなっていた。
だが響は追撃をやめることはしない。
飛行ユニットで空中に躍り出ると、黒いISの背部に回りこみ、先ほどもやっとような脚部のブースターを利用し、踵落しを叩き込んだ。
かなりの速度で黒いISは地面に叩きつけられ、その衝撃がアリーナに走る。
「コイツで終いだ!!」
空中で言うと、響は左腕のブースターを限界までふかすと、黒いISに目掛け一気に急降下しその左腕で黒いISの腹部を穿つ。
そのダメージで黒いISは完全に機能を停止したのか、まったく動かなくなった。あとに広がるのは無残にボロボロにされた機械の塊だけだ。
「あー……疲れた疲れた。早く戻って風呂でゆったりするかー」
響はISを纏ったまま、退避した一夏達の元へ戻ろうと、残骸から踵を返す。そして数歩いったところで鈴音からプライベートチャネルが飛び込んできた。
『響! まだ終わってないわよ! アイツまだ動ける!!』
響の後方を見ると、黒いISがまるで「まだ終わっていない」という風に胴体を立てた。するとその中心がガバッと開き、そこにエネルギーが集中していく。
『響!! さっさと回避を!!』
焦る声で告げる鈴音だが響は、にやりと口角を上げ、
「そう焦るな、鈴。こっちには――――」
そこまで言ったところで甲高い音がアリーナの端から発せられたかと思うと、黒いISの胴体の数箇所を青いビームが打ち抜いていった。ISは今度こそ完全に機能を停止したのか、力なくその場に崩れ落ちた。
それを確認した響はセシリアにプライベートチャネルを開いた状態で、鈴音に告げた。
「――――こっちにゃ、最高のスナイパーがついてるからな。……そうだろ? セシリア」
『ええ、わたくしの狙撃は百発百中ですわ』
聞こえてきたのはセシリアの誇らしげな声だった。それを聞いた響も苦笑を浮かべ
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