圧倒
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不適に微笑む響は後ろで呆然としている鈴音を一瞥すると、
「鈴、一夏を連れてお前らは一旦退け。エネルギーもそろそろ限界だろ?」
急に振られた鈴音は、ハッとした後、同じように呆然としている一夏に告げた。
「一夏! 一旦退くわよ、心苦しいけど今は響に任せるしかないわ!」
「何言ってんだよ鈴! 俺達でさえてこずってたのに響一人で大丈夫なわけないだろ!!」
我に返った一夏は鈴音に反論するが、響がそれを制した。
「なぁに、心配すんな。これでも一応は戦いなれてるからな」
「戦いなれてるからって……!」
そこまで言ったところで一夏は言葉を詰まらせた。響と話しているときに自らのIS『白式』のエネルギー残量を見たところ、既にエネルギーが100を切っていた。もしこのまま戦えばエネルギー切れになり邪魔になることは間違いないだろう。
鈴音の方もエネルギー残量が危険域に達しており、戦闘続行は不可能だ。
一夏は悔しげな表情を浮かべた後、響に言い放った。
「……わかった、ひとまずここは頼む!」
「おう。一夏、ちゃんと鈴守りながらピットまでもどれよ?」
「ああ」
一夏と鈴音は並びながら後退していくが、黒いISはそれを見逃さず、二人に照準を合わせる。
だが、黒いISは発射態勢に入った瞬間大きく後ろに吹き飛ばされた。
そして先ほどまで黒いISがいたところにいるのは響だ。彼女は軽く舌なめずりすると黒いISに言い放つ。
「テメェの相手はこの私だ、間違えんな機械ヤロー」
態勢を低くした響は追撃に入った。
一呼吸で敵ISの元に詰め寄ると、巨大な左腕で相手の腹部を目掛け拳を放つ。
「ラァ!!」
敵が大きくくの字に曲がるがそんなことを気にした風もなく、響は攻撃の手を休めない。
相手に隙ができたところを狙い、今度は顔面に右腕を叩き込む。敵ISの目のようなものが砕け散る。
「どうしたどうしたぁ!? そんなもんか……よっ!!」
相手を煽るような声を発するが攻撃を緩めることはしない。今度は敵ISが後ろに一歩退いたところで右足で蹴りを見舞いする。しかもただの蹴りではない、脚部に取り付けられたブースターによって圧倒的に早さが向上した蹴りである。
蹴りを叩きこまれた敵ISはまたしても吹き飛ばされた。だが今度は先ほどの比ではない、なにせアリーナの壁まで吹き飛んだのだ。壁に激突した衝撃で土煙がもうもうと立ち込めている。
だがその瞬間、一筋の閃光が響を目掛けて土煙の中から発射された。
突如として放たれたビームも響は軽く避ける。その後もビームが連続で射出されるが、響は全弾をまるで何処に来るかのように難なく避けてゆく。
やがてビー
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