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SAO Regain the days where we lost
――Encounter――
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て重宝されていた。
今日も略奪した商品をもって、犯罪者たちが集う。
「回復結晶三つ!二千コルからだ!!」
「ドロップアイテムのナイフ!!五千コルからで譲ってやるよ!」
いくつもの闇市場でオレンジプレイヤーたちがにぎわっている。そんな中を、一人のプレイヤーが進んでいた。
フードをかぶったプレイヤーだった。体つきからして男性プレイヤーだろう。目深にかぶったフードから、時折のぞく目には、鋭い光が宿っている。
彼の名はジーク。《龍殺し》の名で呼ばれる強力なPK……プレイヤーキラー、SAOで言うところのレッドプレイヤーだ。
大規模なギルドパーティーをねらって惨殺し、アイテムを稼ぐ。SAOには殺人によって経験値を得るシステムはないが、ごくまれに《エクストラボーナス》として経験値を得ることができる場合がある。
血祭りに上げたプレイヤーの数は単身では最高クラスの八十超。これほどまでの大量虐殺の経験があるのは、レッドギルド《
笑う棺桶
(
ラフィン・コフィン
)
》リーダー、Pohくらいだろう。事実、ジークの犯した殺人の多くは、ラフコフによる仕業だと思われている。
さて、そんなジークがこの圏外村に立ち寄った理由は、突き詰めて言えば「何もない」だろう。彼は本当にただの気まぐれでこの圏外村にやってきた。煩雑な町の雰囲気は、時折張りつめた心に癒しを与えてくれる。
にぎわう闇市を歩いていくと、ひときわ人々が集まっているところがあった。
見物客の一人に馴染みの顔を見つけ、声をかける。
「これは……なんだ?」
「おう、《龍殺し》のか。……《魔女裁判》だとよ。『不当なチートを使ってる』って言われた女性プレイヤーを、時折こうして暴行して、ストレスを発散する奴らがいるんだよ。見てる方もストレス発散になるらしくてよ。なかなか消えない」
むっと眉をひそめる。
今のSAOで『チートを使用する』ことは不可能に近い。ならばこれはただの一方的な暴行ではないか?
「……この《魔女裁判》のせいで気が狂っちまった奴もいるぜ。今の奴もかれこれ一時間はヤられ続けてるんじゃねぇか……」
「――――助けようとは、思わないのか」
「よせよ。俺たちゃ非常なオレンジプレイヤーだぜ?」
「……」
密集した野次馬の間から、《刑場》を見る。
ジークと大して年も変わらないだろう少女が、オレンジカーソルのプレイヤー達数人に犯されていた。少女の眼からはすでに光が消え去っている。
「……なぁ、《龍殺し》」
「なんだ」
「……お前、助けようとか思ってるんじゃないだろうな」
「なぜそう思った」
すると馴染みのオレンジプレイヤーは苦笑して、
「お前の顔だよ。その表情をしてる時のお前は、《龍殺し
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