常盤台中学襲撃事件
Trick35_信乃にーちゃんは何してるのよ!
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殺しはしないぜ」
窓から上半身を外に出すように首を絞める。
首を絞められて脳に酸素が行かなくなれば数秒で意識を失う。
だが、駆動鎧で強化された握力だと簡単に人を殺せる。
操作している男もそれは承知のようで、ゆっくりと御坂の首を絞めていた。
真綿で絞め殺すかのようにゆっくりと。
周りにいる生徒、さっきまで話していた教師も、あまり事に腰を抜かして
助けるどころか話しかける人は一人もいなかった。
意識を失う前に、御坂は必死でどうにかできないか考えた。
そして視界の端に見えたのは校庭の隅にある花壇。
窓から上半身を出している今は、花壇は御坂の真下にある。
花壇、土、そして次に連想したのは・・・・
「こ、これなら・・・」
酸欠の朦朧とする頭で演算し、花壇に電気を伸ばす。
御坂の手に集まったのは、花壇の土に含まれる砂鉄。
それを微振動させて男の肩に向けて振り下ろした。
「うぉ!?」
不意を突いた攻撃だったが、とっさに御坂の首から手を離して身を引いて避けられる。
砂鉄の剣は駆動鎧の左肩部表面だけを切り裂いただけで、中の男は無傷だった。
「びっくりさせやがって」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ようやく自由に呼吸ができるようになり息を整える御坂。
「はぁ・・あんたたちの・・はぁ・・・目的は・・・一体何なのよ!?」
「さぁな? 俺達は依頼を受けてお前らの自由を奪うだけだ。
お前らが殺されようが、どんな実験に使われようが、“女”として“使われ”ようが
俺らの知ったことじゃない。
さすがの俺もガキの体には興味が無いからな」
今の言葉で御坂は気付いた。常盤台中学という組織が狙われたというよりも
“高レベル能力者が多数いる学校”として狙われていることに。
だから“実験”という言葉を男は言ったのだろう。詳しくは知らなくとも依頼人から
常盤台を狙う経緯を少しだけ聞いていれば雇われ身分の男でも気付き、そう口走った。
御坂も幻想御手事件を通して、学園都市に人体実験があることを
知った。だから絶対にあり得ないとは思えなかった。
だが、常盤台中学は日本で有名な学園都市の中でも5本指に入る名門。
襲われたとなれば学園都市だけでなく日本中に、もしかしたら世界中にニュースが飛ぶ。
高レベル能力者を実験に使えるハイリターンよりも
世界規模で犯罪者となるリスクの方が、誰がどう考えてもスーパーハイの危険だ。
「おい! しゃべってないでさっさと黙らせろ! この教室で戦闘向きの
能力者はこいつぐらいだ!」
御坂が思考中に別の男の声が聞こえた。
御坂を襲っていた奴とは別の男、入ってきてからずっと生徒たち
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