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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第52話 終わりと始まり
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シアに治療してもらったばかりの右手で
天閃の聖剣
(
エクスカリバー・ラピッドリィ
)
を再び掴み、その切っ先を祐斗に向けた。
「……えっ?」
それに対して祐斗は先程までとは違い目を見開いて呆けているわ。
「祐斗、あなたの過去については悪いんだけど部長から聞かせてもらったわ。正直な話、子供の頃から家族に恵まれて幸せに育ってきた私にはあなたの気持ちは分からないし、分かろうとしていいはずもないと思う。でもね? それと助けたい、力になりたいって思うのは別でしょ?」
そう言って私は祐斗に語りかける。
「火織、あなたまさか最初から……」
そこまで来て、部長や他の皆も私がしようとしてたことに察しがついたみたい。
「祐斗、エクスカリバーを倒し、同志たちの無念を晴らしたいのなら今代最強の使い手である私を倒しなさい! あなたの手で、過去に決着を付けてみなさい!」
そこまで言い切ったところで祐斗は苦笑を漏らした。それは今までの復讐に囚われた祐斗ではなく、いつもの祐斗に近い笑い方だった。
「敵わないなぁ、火織さんには……」
「……で、どうするの?」
「感謝するよ火織さん。ありがたくその申し出、受けさせてもらうよ。僕にとってはこれ以上ないチャンスだ」
そう言うと祐斗は魔剣を創り出し、構えた。私はそれを見てニヤリと笑い
「来なさい、祐斗!」
「はぁぁぁぁああああっ!!」
祐斗はこれまで見たこともないほどの気迫を持って私に挑んできた。
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