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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第四十五章 火炎の鳥《1》
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る風が冷たく、身体を包み込む。
 撫でるように下から上へ風は流れ、風の抵抗を受けながら入直は落下していく。
 下に見える火炎ノ緋翼。
 眩しい赤を放つ騎神に、叫んだ。
「もう一度やろうじゃないか! アンタにその気があるのなら、アタイは何時でも準備出来てる。
 どの空も、自由だ!」
 背から落ちていく火炎ノ緋翼は、同じく落ちていく入直を目で捕らえた。
 聞こえる、彼女の声が。
「何時か空を自由に飛べるその日まで、これからも練習に励もうじゃないか!」



 鳶が鳴いた。
 それは自身の操縦者に向けた声であり、戦闘再開の合図だった。
 火炎ノ緋翼がまず行ったのは、残った片腕である右の手に握った炎熱火砲による砲撃。
 空に赤の一線が走り、それが目指すものは辰ノ大花の騎神だ。
『なんだか分からんが動き出したみたいだな。全く、イカれてやがる』
 あんな騎神は見たことも、聞いたこともない。
 燃料が切れれば騎神は動かない。騎神に限らず、機械ならば殆どがそうだ。
 見たところ予備燃料も積んではいないが、流魔を放つやいなや動き出した。
 放出した流魔を取り込み、燃料代わりにでもしたのだろうか。
 もし日来が武装を許されていたらと、そう考えてしまった。
 きっと、日来一の技術力を持っていただろう。
『だがこっちも負けられないんだよ、準備が整うまではな』
 砲撃を避け、加速機を噴かす。
 相手の様子が変わったが、事態が変わったわけではない。
 このまま、前と変わらず倒せばいい。
 近接戦闘は経験上こちらが有利だ。
 砲撃は直線的で読み易い、恐れるに足らない。
 塵が吹き出し、青い線と共に一閃。
 イグニッションを行い加速し、それを後二回行った。
 赤の中心に青が突っ込んだ。
「緋翼!」
 入直が叫んだのは、戦竜が通った後だ。
 間もなくして双機はぶつかった。
 衝撃で赤の流魔は散り、
『決まった!』
 迫る戦竜を対処しようとした火炎ノ緋翼が、腹部に流魔刀の二撃を浴びた。
 痛みからか火炎ノ緋翼が鳴き、赤のしぶきが上がった。
 血ではなく、赤い流魔だ。
 空に散る流魔を見て、入直は息を飲んだ。
 何故ならば、流魔刀の斬撃が火炎ノ緋翼の腹部を深く裂いていたからだ。
 軽い装甲は必然的に薄くなり易く、攻撃をまともに食らったならば重傷は免れない。
 そのため代わりというように機動力を上げ、回避に徹するように設計されている。
 しかし、回避出来無かった場合は。
 紙のように薄い装甲では、たった一撃でさえ命取りになる。
「緋翼アアア――――!!」
 飲んだ息を吐くように、叫んだその声は空へと消えていった。
 まだだ。まだ、やられはしない。
 これからだ。
 これからなんだ。
 言い聞かせ
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