第三十五話 海鳴スパラクーア
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いと思っていた。
秋が訪れる頃には本当の家族と思っていた。
そして今、私は迷っている。
遼が抱えている病気。
アレは身体に現れるものでもリンカーコアに悪影響を及ぼすものでないから、私も今まで気がつかなかった。
きっかけは少し前に見たドキュメンタリー。
その番組で『それ』が紹介された。
(今それを伝えたら、間違いなく遼は…………)
最悪、正気を失いかねない。
けれど、そのまま放置していていいものではない。
このままにしておけば、確実にいつか死ぬ。
けれど、治す手段がないのも事実。
私が頭を抱えていると、後ろから聞き覚えのある声で話しかけられる。
「あの、隣いいですか?」
私は静かに後ろを見る。
私がかつて造った人造魔道士が、そこにいた。
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