第二十四話
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灼熱の太陽が辺りを照らし、何時までも続きそうな熱気を纏った砂地。
その砂地、カダイフ砂漠にディア、カノンノ、クレス、イリアは額の汗を拭いながら今回の依頼主である、トマスを待っていた。
「あっついな~~」
「うん、暑いね・・・」
空に浮かぶ太陽を見上げながら、ディアとカノンノは呟く。
その気持ちはクレスとイリアも同じようで、二人は手持ちのタオルで何度も汗を拭き続けながら空を見ていた。
しばらく暑さに苦しんでいると、巨大なケージを押しながらこちらに向かってくる、一人の老人が姿を現す。
どうやら、あの人が依頼主のトマスのようだ。
「依頼を引き受けてくれた者たちだね?」
「はい、モラード村のトマスさんですね?」
「モラード村ってたしか、ジョアンさんの・・・ジョアンさんはその後、元気でしたか?」
ディアは前に依頼を受けた時、ジョアンがモラード村の出身と言っていたのを思いだし、赤い煙の件もあるので、トマスに訊ねてみる。
その事を訊ねてみると、一瞬、トマスが辛そうな表情をしているように見えたが、すぐに笑みを浮かべてきたので気のせいだろうと思う。
「ジョアンはなァ、元気になると今までの倍働くと行商に出ていったでなァ・・」
「そうなんですか、よかったぁ」
どうやらカノンノもジョアンの事が気になっていたらしく、安心したようにホッと胸を撫で下ろす。
「このケージの中に魔物がいてなァ、ここのオアシスに捨てておいてくれ・・・」
「捨てるんですか?討伐などではなく」
「あぁ・・・殺すまではできなくてなァ・・」
何で殺さないのか気になったが、目を閉じながら俯くトマスを見て、言葉を詰まらせてしまう。
それほど、今のトマスの表情は後悔と悲しみ、恐怖で溢れていた。
きっと、大量の犠牲者が出たんだと思う、だから、これ以上は誰もトマスに詳しいことを聞くことはできなかった。
「それじゃ、頼んだよ、ケージの中はくれぐれも見ないでおくれ・・・」
そう言い残すと、トマスは砂漠を立ち去った。
「それじゃ、行くわよ」
トマスが見えなくなると、イリアが先頭に立って、三人はイリアに続いてカダイフ砂漠の奥地にあるオアシスに向かう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あれは・・・魔物?」
「あの魔物はサンドワームだよ、かなり危険だから倒しておかないとケージが危ないかも」
数メートル離れた先、そこには巨大な蟻地獄の中心から姿を現す、八メートル近くはある魔物、サンドワームが道を塞いでいた。
カノンノの話によると、サンドワームはかなり狂暴な魔物らしく、ケージを守りながら先に進むのは困難らしい。
「倒すしかなさそうだね」
「え~!!もうこのケージをあいつに放り投げて終了でいいじゃない!」
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