覇は未だに唱えられず
[9/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
! ほーれ見ろ! どっちの意味で言ってるか解んねえだろ! 胸の意味で捉えたらむしろそんな風に解釈をした神がエロいって事だ! どうよ……今、俺は神に喧嘩を───』
『・───剣神様からの反応が消えました』
表示枠から少し目を離してみると給仕をしていた浅間が少し離れた場所で何時の間にか弓を手に取っていた。
残心をしている所から放った後であると見える。
見なかったことにしよう。
神に喧嘩を売った馬鹿神について考えても時間の無駄であるし、というかさっきまで倒れていたくせに無駄に元気だな、あの副長。
そして別に神様=エロくないというのは神話的に否定できないだろ。あ、だから、あの馬鹿はエロいのか。
……納得しても満足する要素が一欠けらもないぞ!?
ここまで無意味な真実もそうあるまい。
会議が始まる前から倦怠感に身が包まれる様な状況に溜息を吐きそうになるが負けてはならない。負けたら正義が悪に負けることを良しとするバッドエンドな風潮が流れ出す気がする。
頑張れ、本多・正純。武蔵の秩序はお前に守られているのだと自惚れるんだ。
そこまで考え、ふと無駄にあった肩への力が抜けている事に、危うく苦笑を漏らすところであった。
……まったく。
この馬鹿達は狙っているのか、狙っていないのか解らないから悪態しかつき辛い。
そして皆もそんな改まっての礼を言われるのを黙って受け入れるような素直なキャラではない。
楽しもう、とそう思った。
自分が主役の舞台ではないからこそ、観客席ではない端役の役を楽しもうと。それが武蔵にとっても、自分にとっても最良の道だろうと思う。
それをあの馬鹿が支持しているものだろう、と内心の苦笑を残しながら会議に対して期待を持つ。
楽しむ舞台がまさかの土下座祭りとは思ってはいなかったが。
輸送艦での会議が進む中、勿論、武蔵の住民全員がそれを見守りながら仕事をする中、ひとつの場所だけが注視している場所があった。
その場所は神社であった。
神社の大きさとしては大きい。武蔵最大の浅間神社とそこまで変わらない。
玉砂利が敷かれた庭に本殿。
ただし、浅間神社と違って違う部分がある。
それは信者が武器を握っていること。本殿とは別に訓練するための道場などもあること。
浅間神社とは違う、純戦闘系神社。
荒の神を信仰する熱田神社の境内であった。
信者達が修行する中、それを見つつ、輪の中から外れているメンバーがいた。
その数は四人。
「おっ? おい、皆! 熱田センパイのクラスの交渉……ってはえぇな! 皆!?」
「うっさい、コウ。ちょっと黙ってて。あんた……声大きいのよ……」
「碧さんも少し落ち着いて……あ、コウはもう少し黙っててもいいですよ?」
「女尊男卑の権化が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ