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不可能男との約束
覇は未だに唱えられず
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、と何故か彼は微妙に男らしい笑顔を浮かべて

「トーリ。後は頼んだ」

そのまま笑顔で後ろに倒れた。
ドサッという軽い音が嫌に空しく聞こえたが、何時も通りだねと思い、正純に目配せをする。傍にいるトーリ君が「き、汚ねえぞ! 親友!」などと叫んでいるが無視だ。人工呼吸しようとしていたのは流石にミトツダイラが止めていたが。
そこで呆れ返ったどころか冷たい目でシュウ君を見ていた正純もあ、ああ……という感じでコホンと咳払いをして

「───女王の盾符(トランプ)よ。何の要件だ」

女王の盾符の皆が正純を信じられないものを見る目で見るが、正純は必死で無視している。

「えーと……You。今のは……」

「お気になさらず───あれはただの変態でして」

その言い方じゃ外交問題だよ……!

ハイディもその言葉には物凄い同意なのだが、それでは不味い。
副長が変態だと脅すのに……別に問題ないか。じゃあ、いっか。完璧だね、シロ君!
だが、正純はそれでは不味いと思ったのか笑顔のまま汗を流しながら

「すまない、間違えた。あの副長はただの変態というわけではなく……」

続きを何故か正純が止めたので、何故? と思っていると答えが見えた。
後ろに倒れた彼だが、その手には何時の間にか彼女から渡されたエロゲを大事に持っており、しかも彼女からあらあら顔で肩を揺さぶられている始末。
色々ともう何も言えない状態を見た正純は

「───あれはただのではなく唾棄すべき変態だ」

すっごく駄目じゃん! と全員で声を合わせて叫ぶが正純は余裕がないのか、もう女王の盾符しか見れてない。
毎度の事ながら、余裕がないなーと思い、まぁ、楽しければいいんだけどねと自分の中で結論を出す。
さてさてと思う。
多分、こっからは商人の仕事かなーと楽しみに期待しながら、己の勘が正しかった事を数十秒後の土下座で知る事になる。





昼前の日差しだが、流石に日向は少し暑いかなと正純は外交艦のテラスでの急増の交渉上のイスとテーブルを前にどうでもいい事を思った。
少々、緊張しているかもしれないなぁ、と思う。
自分の場ではないが、これはつまり、世界征服宣言を出した武蔵の初交渉という事になるのではないだろか。
いや、それはまだ気が早い。まだ、葵からあの暴言をもう一度吐けるかどうかの意思確認はとってない。
いかんな、と思う。
自分が結構冷静じゃない事を自覚する。政治家志望が、これでどうする。
教皇総長の時は、勢いがあったし、葵の支持の熱もあって緊張は消し飛んでしまっていたが、毎回あの馬鹿に頼るのは自分が情けない。
今回も気を抜いていいというわけではないが、これはまだ始まりではない。
そして、それで油断するなと思いを視線の先のチャールズ・ハワー
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