覇は未だに唱えられず
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しっかりしなくては……!
自分しか今、まともに脳が働いている人間はいないのである。
ここで武蔵の騎士としてちゃんと働かなければどうする。武蔵の尊厳は今、この両肩に背負っているのである。
そう思って奮起しようと思い、無防備なメンバーに声をかけようとした刹那に留美さんが先に何らかの表示枠を副長に見せた。
「あん? 何だこ───」
れ、と言おうとした表情がそのまま固まった。
その態度に注意を促そうとする行動よりも、何だ何だという疑念が打ち勝ってしまい思わず?マークを浮かべてしまう。
そしてそれに答えるかのように固めた笑顔のまま、こちらも曇りのない笑みで微笑んでいる留美さんに聞く副長。
「おい……もしかして……これは……!」
「はい───シュウさんが隠していたエッチなゲームのタイトルです」
ついさっきまで感じていた感情が一瞬で抹消されて、代わりに生まれたのは同情というか哀れという感情であった。
二人がどういう関係かまでは流石にこの短い時間では読み取れないが、まぁ、少なくとも友人。深くいけば家族みたいな関係なのだろう。
恋人と思うには、ちょっと智応援派として待ったをかけたから。
まぁ、それでそういった対象にエロいのを見られるのは物凄い恥辱であろうと思う。どこぞの全裸と狂い姉は例外だ。あれは二人ともキチガイオープン系であり、彼女はそんな感じには見えない───
「姉と巫女系以外全部処分しましたので」
「お……あ……あ、ああ……!」
訂正。かなりの豪傑であった。
余りのショックに副長が膝をついてマジ泣きしている。
いいのですか、それでと思う所を副長が先に叫ぶ。
「ま、負けていねえ……! 俺は負けちゃいねえ……! 負けて諦めた時が本当の負けなんだ!? な、なぁ、そうだろ馬鹿親友!」
「シュウ! オメェ、格好つけているつもりなんだろうけど、絶対に物凄く負けているからアウトだぜアウト! そして解ったか……普段、オメェが俺にしている仕打ちが! このエロゲ嫁を砕かれる理不尽に対しての憤りが……!」
2人とも格好いい事を言っているように見えるが、内容は非情に馬鹿みたいな事を言っているので両者アウトである。
故に両者が持っている役職については忘却したい。これで、一国を率いる総長&副長なんて武蔵の恥である。
出来るなから縛って隠し置きたいレベルだが、既に女王の盾符に全恥部を見せてしまっている。
武蔵の国際的威厳、潰えたり。
後は騎士ではどうしようもない領分なので正純に任せよう。それが一番、最善策である。決して投げたわけではない。きっと……。
そして、項垂れていた副長も項垂れているだけではいけないと思ったのだろうか。とりあえず、立ち上がって深呼吸をし、何かを言おうとしたところを留美に先手を取ら
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