覇は未だに唱えられず
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「───さて諸君。私は今、実に機嫌が良い……」
本多・正信邸の一室において、暫定議会議員のメンバーに囲まれながら、本多・正信が深い感慨とともに言葉を吐き出した。
その感慨深さを理解しているメンバーは全員、うんうんと頷き、次の言葉を待つ。
正信ははぁー、とわざとらしく息を吐き、その間を楽しんでいるかのように笑い
「まだ正純は帰ってこれないが……ようやく会いに行ける。解るか? 私は今から再会の時に正純に抱きついて心配するという行為が許されるのだぞ……!」
「くっ……! 何とも卑怯な父親……!」
全員が演技ではないマジな悔しさという表情を前面にだし、睨みつけるが本人は無視する。
「悔しいかぁ? だが、この権利は如何な権益を渡されても譲る気はない。無論、見る事───」
も不許可だ、と告げようとした口の動きよりも早く動く者がいた。
「コニタン……やはり、ここで貴様が動くか……」
「なぁに……別に特別な商品や権益を渡すというわけではないですぞ」
正信は危機感を感じる小西の表情に何かが来る、と身構えていたら何時の間にか目の前に表示枠が浮かんでいる。
その表示枠は思った通りに小西からのであり───録画術式であった。
そして内容は
「コニタン……貴様……!」
「おやおや、ノブタン。どうしたのですかなその表情は? 別に私は攻性術式を出しているわけではないですぞ。ただ、私はノブタンが娘との交流を思い悩んでいるから、手助けをしようと思い、君のここ二週間の記録をアルバムとして一緒に見ればどうですかなと提案しているだけですぞ」
「くっ……!」
全員が小西の言った内容に息を詰めた。
理由が解らなかったからではない。理由が物凄い解ったからである。
普通の御家庭なら冗談レベルで済むが、本田・正信の名誉の為にボヤかして言えば、見せた瞬間に本多家が崩壊してしまう。主に、本人の悲嘆と娘の感情表現によって。
今まで作り上げたキャラが崩壊させられる驚きにに娘が耐えられるのかがポイントだが、中々難問である。
本多・正信……絶対の危機!? と全員で思わず中腰で様子を見守る中、正信はいきなり、という動きで立ち上がる。
その姿勢は前傾の姿勢であり、周りはごくりと唾を飲み、小西は口を横に広げた。
「やる気ですかな、ノブタン? 今の所、我らの勝率は五分五分───二分の一で地獄ですぞ?」
「Jud.前回は私の権益ゲージが溜まらずに必殺技を放てなかったが、今回はそうはいかんぞ───正純がいなかった事で私のリミットブレイクは5まで突破しているぞ……!」
「何の当たらなければどうと出来るのですぞ……! 必殺技はモーションが激しいので躱されたら絶死であるという事を何度でもその脳に刻みますぞ……!」
互いに
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