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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-33人間と魔物と
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判る」
「ライアンさん……」

 ホイミンの目から、涙が溢れる。
 ライアンが微笑み、腕を広げる。

「おいで。ホイミン」
「……うわーん、ライアンさーん!!」

 ライアンに駆け寄って飛び付き、声を上げて泣き出すホイミン。
 微動だにせず受け止め、抱き締めるライアン。
 見守る、仲間たち。

 クリフトが、アリーナに問いかける。

「……アリーナ様は、ご存知だったのですか?」
「ああ。エンドールの祠の宿で、見ていたからな。ライアン殿が連れていた、ホイミスライムを」
「ホイミスライム、だったのね、ホイミンは。だから、ホイミンなのね」
「人間が魔物になったり、魔物が人間になったり。案外、そう違わないのかも、しれないわねえ。」
「ホイミスライムから、あのような可愛らしい子供になるとは。……ふむ」
「適当なホイミスライムを捕まえて来ても、ああはならないと思うぞ」
「考えただけで、実行しようとは思っておりませぬが。王子に言い当てられるとは、耄碌(もうろく)したものです」
「あら、ダメですの。残念ねえ。」

 ひと(しき)り泣いてホイミンが泣き止み、泣き止んだホイミンに、ライアンが言う。

「しかし。女の子、だったのだな」
「……うん。そうみたい」
「大丈夫なのか?」
「……うん。びっくりしたけど、人間になれたから!女の子でも、いいや!」
「ん?男だと、思っていたのか?」

 アリーナが、口を挟む。

「殿下。どういう、ことでしょうか」
「俺は、女性だと思っていたが。エンドールで見た時から」
「……アリーナ様。ホイミスライム、だったのですよね?」

 今度は、クリフトが口を挟む。

「ああ」
「……ホイミスライムの性別が、おわかりになるのですか?」
「ホイミスライムに、性別があるかは知らないが。あるのなら、女性だろうと思っていた」
「……申し訳ありません。よく、わからないのですが」

 アリーナが少し考え、口を開く。

「人間であれば、骨格や肉付きで、性別は判るが。人間を見分けているうちに、人間以外でも、それなりの知性があるものなら、気配で大体判るようになった」
「……アリーナ様に、そのような特技が……」
「つまり、ホイミンは、間違い無く女性なのですね。……どうして、男だと思ったんだ?」

 ライアンの問いに、考えるホイミン。

「えーっと、うーんと……。……あっ!そうだ!ぼくだから!」
「ぼく、だから?」
「うん!ぼくはぼくのこと、ぼくって言ってたから!ぼくって言うのは、男の子なんだよね?」
「その場合が、多いな」
「うん!だから!」
「……男だと思うから、ぼくと言っていたのでは無いのか」
「うん!がんばって言葉を覚えて、気がついたら、もうぼくだっ
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