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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-33人間と魔物と
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ると思うのか?」
「いや……!いや、本当に……!」

 尋問を始めるライアンに、涙目になる元キングレオの男。

「ちょ、ちょっと、ライアンさん」

 見かねて、ミネアが止めに入る。

「嘘を言っているようには見えません。順を追って、話を聞いてみましょう」
「ふむ。そうかも知れません。が、嘘かも知れません。……誤魔化せると思うな」
「は、はい!」

 男に釘を刺すライアン、また涙目になる男。
 ライアンが男から離れ、ミネアに場所を譲り、背後から睨みを利かせる。

 まだびくびくとしながらも、穏やかそうなミネアが近くに来たことに、ほっとした様子の男。

 ミネアが穏やかに尋ねるのに、ライアンからの圧力に怯えながら、聞かれたことも聞かれないことも、わかる限り話してしまおうという勢いで、話し始める男。

 少し離れて見ていたマーニャが呟く。

「飴と鞭ってヤツか」
「効率がいいな」
「王子様らしい感想だな」
「それは伏せてくれないか。今はただの武術家で、頼む」
「あ?……ああ、そうだな。一応国の話だからな、不味いか」
「そういうことだ」


 男はこの城の王子で、年齢に不足も無いのになかなか王位を譲られずに腐っていたところ、バルザックが取り入ってきた。
 能力を高める秘法があると聞き、それを使って有能になれば、父に認められて王位も譲ってもらえると思った。
 早速その秘法を試した辺りから、記憶がはっきりしない。
 しないが、魔物と関わっていたらしいこと、結局王位は譲られないどころか逆に叱責され、逆上して父を幽閉し、王位を簒奪(さんだつ)したことは、覚えている。


「私は……なんということを……!」

 打ち(ひし)がれる、キングレオ王子。

「気の毒だとは思うが、自業自得だな。悪いが、この先はオレらにゃ関係ねえ」
「そうだね。進化の秘法と、魔物の支配からは解放したのですから、この先は私たちが口を出すようなことではないでしょう。これで、失礼します」
「兵士は全て倒してしまったが、峰打ちだ。そのうち、目を覚ますだろう」

 呆然とするキングレオ王子を置いて、隠し部屋を出る一行。


「結局、バルザックの野郎の行方は、わからねえままだな」
「城の中に、知っている者がいるかもしれない。少し、話を聞いてみよう」
「俺は、先に馬車に戻っていてもいいか?身分を伏せても、あまり顔を見せて回るのは不味い」
「馬車のみんなも、心配しているでしょうからね。そうしてください」
「わたしも、戻っていい?ライアンさんを、早く、会わせてあげたい」
「そうですね。城の構造もわかっているし、かえって私と兄さんだけのほうが、話を聞くにもいいかもしれません」



 兄弟を置いて、ライアンを
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