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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-33人間と魔物と
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ッ!!」

 逆上し、手近にいた少女に、捨て身で掴みかかるキングレオ。
 離れている後衛の兄弟、キングレオを挟んで反対側にいるアリーナの援護は、間に合わない。

「ユウ!」
「嬢ちゃん!」

 回避は間に合わないと判断し、吹き飛ばされる覚悟で、盾を構える少女。

 衝撃に備えて身構える少女の前に、桃色の影が割って入る。

「ライアン、さん」
「任されよ!」

 鉄の盾で、吹き飛ばされることも無くしっかりと、キングレオの攻撃を受け止める。

 力でも押せないことに驚愕するキングレオの背後からアリーナが攻撃を加え、少女もライアンの背後から飛び出し、キングレオから加わる力が緩んだところでライアンも剣を構える。

 少女、ライアン、アリーナの前衛三人から、同時に攻撃を加えられ、堪らずキングレオが、四つの膝を突く。

 マーニャが叫ぶ。

「三人とも、下がれ!」

 三人がキングレオから距離を取ると同時に、放たれるマーニャのベギラゴン、ミネアのバギマ。

 吹雪で威力を落とすことも無い火炎に直接曝され、真空の刃に切り刻まれ、キングレオが断末魔の叫びを上げる。

「ぐ、ぐわあああ……!!こんな、こんな、はず、で、は……!!」

 炎に焼き尽くされたキングレオが、崩れ落ちる。

「……お前たちは……一体……まさか、地獄の帝王を、滅ぼすと言われる、勇者……?……まさか……その者なら、デスピサロ様が、既に……殺したと……、ぐ、ぐふっ」

 倒れたキングレオが、動かなくなる。

「……()ったか?」
「……そのようだね」
「まだ、生きてる」
「そうだな」
「では、(とど)めを」

 少女が動こうとするのを手で制し、警戒しながら歩み寄るライアンの前で、キングレオの身体が淡い光を放つ。

「……む?」

 更に警戒を強めるライアン。
 すぐにも止めを刺そうと一気に近寄るが、その目の前で、獅子の魔物だったキングレオの姿が、人間のそれに変わる。

「……なんと」
「戻りやがった!」
「戻れる、ものなのだな」
「ほんとに、人間、だったの」
「……生きているなら、話を聞く必要がありますね。こうなっては、抵抗もできないでしょう」
「また、化け物になったりしねえだろうな」
「そうしたら、また倒せばいいだろう」
「それでは、起こしましょう。……おい。起きろ。目を覚ませ」

 ライアンがキングレオだった男の頬を叩き、呼び掛ける。

「う……」
「起きたか。ならば答えてもらおう。貴様は、何者だ?何故、こんなことをした?」
「う……?……ここは、何処だ……?私は、一体……?」
(とぼ)けるな」
「いや、本当に……なにも……」
「これ程のことを仕出かして、それが通
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