暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
31話:本局見学会でございま〜す
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るかもしれないしな」
「うん」
「ただ、どっちも大変だぞ。教官訓練はもの凄く高い魔力運用を要求される。教導隊を目指すなら、なおさらだな」
「うん…」
「執務官試験は…僕が言うのもなんだが、採用率がかなり低い」
「らしいね…」
クロノは二人がそれぞれぶち当たるであろう壁について口にした。まぁそれらはリーゼ達から聞いてるから、いいんだが。
「確かに、管理局はいつでも人手不足だから、腕のいい魔導師が入ってくれるのは、助かる」
「うん…」
「今僕らが担当している闇の書事件以外にも、どこかで何かが起こってる」
「うん…」
「僕らが扱う事件では、“法を守って、人も守る”、イコールに見えて実際にはそうじゃないこの矛盾が、いつでも付きまとう。自分達を正義だなんて思うつもりもないけど、厳選過ぎる“法の番犬”になりきるつもりもない…」
少し暗く難しい話に入り始めている。ちょっと心苦しいな……
「なんとなく、わかるよ…」
「難しいんだ……士のように“悪”にでもなってもいいって割り切ったり、考えてしまうのを止めてしまった方が、より感情的に動けるから、楽に動ける」
「それは褒めてるのか?」
「そのつもりはないが…そう取ってくれても、別にいい」
そう言って、何もない天井を仰ぎ見るクロノ。その表情には、少し影が落ちている。
「まともにやろうと思ったら、戦いながら…事件と向き合いながら、ずっとそういう事を考え続ける仕事だよ」
「………」
「だから、自己矛盾するけど…僕は、自分の妹や、その友人には…もう少し気楽な職業についてもらいたい気もするな」
さすがに、当事者から聞くのは、重みが違う。それこそ、そう言う事を経験しているであろうクロノだからこそ、ここまでの事が言えるんだ。
「……難しいね」
「まぁ、君達にはまだ時間がある。前にも言ったが、フェイトも、少なくとも中学卒業までは、こちらの世界で一般教育を受ける方がいいと思うし…」
「うん…」
「並行しながらできることもある。ゆっくり考えるといいよ」
「そうだな〜…」
そう言いながら、コップに入った水を一気に飲み干す。
「ま、それより当面は、今の事件だけどな」
「うん」
「そうだね」
「しっかり、解決していかねぇとな」
まぁいつも通り、気を引き締めてことに当たろうかね!
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