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まぶらほ 〜ガスマスクの男〜
第四話
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ら不遜な一言が飛び出てきました。雲行きが怪しいです。


「奴らは時には密かに、時には大胆不敵に公然と我々――いや、メイドたちに攻撃を仕掛けてきた。当然、MMMも戦い幾度の勝利を収めてきた。が、奴らを幾度撃退しても、息の根を止めるには至らなかった。それどころか勢力を拡大してきている」


 老人の強張った手が微かに震えていた。それは怒りからくるものか、はたまた恐怖から来るものなのか、その心中は計り知れない。


「奴らは我らMMMの敵、宿敵とも呼べる存在だ。その行いは情け容赦なく、残酷無比。まさに血も涙もない鬼のようなテロリスト……。世界中に拠点を持つ世界有数の凶悪集団だ」


 ふむ、世界規模のテロリストとなると【アルバ】や【バーレン団】、【紅蓮の夜】辺りが浮かぶが。


 老人の握りしめた手がかすかに震えていた。それは憤怒から来るものか、恐怖から来るものか……。


「MMM本部に提出された報告書では奴らのことをこう書かれていた。『妥協の余地のないテロリスト集団』。――わかるかね、この言葉の意味が。奴らは時には影のように密かに、時には公然と戦争を仕掛けてきたのだ。もちろん我々も応戦した。果敢に戦い幾多の勝利を収めてきた。しかし、やつらの息の根を止めるには至らなんだ。それどころか、より一層勢力を拡大してきている」


 広い室内を重々しい空気が支配した。リーラたちもそのテロリスト集団と戦ったことがあるのか、皆難しい顔をしている。


「当然ワシも戦った。ある時は勝ちある時は負け、決着はまだついていない。この島に移り住んでからは交戦する機会が減ってきてはいるが、それでも奴らは近くに潜んでいるのだ」


「その奴らというのは?」


 老人は口の中で何度も言葉を転がし、重々しくその名前を口にする。


「……パジャマ」


「は?」


「パジャマ至上主義、マーキュリーブリゲードだ」


「……」


 なにを言ってるのだろうか、この老人は。認知症?


 悪逆非道のテロリスト集団が、パジャマ?


 念のため後ろを振り返り視線で――マスクがあるから見えないだろうけど――確認を取ると、お三方は頷かれた。えー、なにそれー……。


「君たちの国では【水銀旅団】と呼ぶ。この世界では有名なテロ組織だ」


「それは、なんとまあ……」


 水銀旅団、聞いたことないよなぁ。


「我らMMMが結成されたのに触発され世界各地でコスチューム愛好団体が作られた。ナイチンゲールで有名なコスチューム【ナース愛好団体】。アメリカで根強い人気を誇る【】。つい最近イギリス女王から叙勲を受けた【小悪魔親衛隊】。このようにコスチュームをこよなく愛する組織は数多く存
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