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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十九話 記念写真
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すわね?」
「和音ちゃんを真ん中にして、芳佳ちゃんが隣に入れるようにしたらどうでしょう?」
「じゃ、ワタシとサーニャはお前らの後ろナ〜」
「ふむ、ならばわたしとエーリカは後ろに入るとしようか」
「よーし、ルッキーニは肩車だな!!」
「肩車!? ヤッホ〜イ!!」
抵抗しようとした和音をあっという間に取り押さえると、混乱する本人を余所にすばやく撮影の準備を整えていく。
「ちょ、ちょっと!! こんなことしたら誰かに――――!?」
和音がそう抗議しようとした時だった。
「あら、バレても全く困らないと思うわ?」
「ミーナと同意見だ。仲間同士の写真を持っていていったい何が悪いのだ」
涼しいほどに白々しくそういうと、ミーナと坂本が和音の後ろに並んだ。
和音を囲むようにリーネ、宮藤、ペリーヌの三人が立ち、さらにその後ろにはミーナや坂本たちが並ぶ。店の主人のシャッターを頼むと、気を利かせた女将がカーテンを下ろしてくれた。
「でも……だってわたしは!!」
なおも言い募る和音の言葉を遮ったのは、バルクホルンだった。
「愚問だな。わたし達は家族だ。同じ家族なら、写真の一枚くらい撮らせてくれ」
「お、珍しく堅物が良い事言った!!」
「バルクホルン大尉まで……」
しばし俯いた和音は、やがて諦めたように溜息をつき、そして笑った。
こうなったら梃子でも動かないことは、「同じ部隊の一員」である和音が一番よくわかっている。
「お嬢さん方、準備の方はもういいのかね?」
「ええ、お願いいたします。――さ、皆もっと真ん中に寄って」
代表してミーナが言うと、店主がカメラを向ける。
頬が触れるほど密着しながら、和音は精一杯の笑みを浮かべた。きっと顔は赤くなって、目も真っ赤に泣き腫らしているだろうけれど、そんなことはこの際問題ではなかった。
「坂本少佐、ミーナ隊長……ありがとう、ございました……」
「なに、礼などいいさ。その写真、大切にとっておくんだぞ」
「きっといい思い出になるわね」
土産を持たせてくれた店主に礼を言って店を出ると、みんなはそのままシャーリーの運転するトラックの荷台に乗り込んだ。もう辺りはすっかり暗くなって、夜道を月明かりが照らす真夜中になっていた。
「よかったね、和音ちゃん」
「……はい、宮藤さん」
【1945年ロマーニャにて。大切な仲間と共に】
写真の裏には、坂本やミーナ、宮藤達全員の直筆で書かれた走り書きのサインがあった。今日この日を忘れないようにとの粋な計らいだ。
他人から見ればただの写真にしか過ぎないそれを、和音は大切に大切に自分の手帳に挟み込むと、そっと胸に抱いてそのまま顔を伏せた。
「………………」
エンジンの音
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