襲来
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
すると響は立ち上がり、あとの言葉をつむいでいく。
「いい加減お前の愚痴に付き合うのも疲れたしな、んじゃそういうことで。対抗戦ガンバレよー」
それだけ告げると響は後ろ手に手をひらひらと振りながら鈴音に別れを告げた。だが鈴音は響を呼び止める。
「響! 私の事鈴でいいから」
「あいよー、じゃあな鈴」
振り返ることはせずそのまま進んでいく響は、やがて木々の間に消えていった。
そしてやってきたクラス対抗戦当日。第二アリーナで行われる第一試合、すなわち鈴音と一夏の試合だ。会場は超満員で座席が足りず立ち見をする生徒もいる始末だ。また会場入りできなかった生徒達もいるらしく、その生徒達はモニタで観戦する事となっている。
ちなみにそんな生徒でごった返すアリーの中で響は立ち見をしていた。場所は一夏側のピットの近くだ、隣には満足げな表情のセシリアが立っていた。だが一方響は不満足そうだ、それもそのはず響はこの試合などに興味はなく、屋上で昼寝がしたかったのだ。
しかし、そんな彼女が何故こんなところにいるかというと昨晩、携帯の留守電に楯無からお願い、もとい命令が下ったのだ。それは、
「生徒会員としてクラス対抗戦は絶対見ないとダメだからねー、来なかったら色々しちゃうからねん♪」
というものだった。
このような怪しさ満点の言葉に若干顔を引きつらせながらも、渋々響はやってきたのだ。
「楯無のヤローも油断ならねーしな……」
「? 響さん? なにかおっしゃいました?」
「いやなんも」
響のつぶやきに反応したセシリアが聞くが、響は言葉を濁す。するとアリーナ全体が割れんばかりの歓声に包まれた。両方のピットからISを纏った一夏と鈴音が飛び出してきたのだ。
ブザーが鳴るまで戦闘は開始されないため、二人は少し話をしているようだった。
そして数分後、甲高い音をしたブザーが鳴り響く、戦闘開始の合図だ。
一夏の方は例の白式の『雪片』を、一方鈴音のほうも青竜刀をぶつけ合う。金属質な音があたりに響き渡る。
数度打ち合うが圧倒的に一夏の方が押され始めた、なにせ刀と青竜刀では圧倒的にリーチの長さが違う。さらに鈴音の青竜刀はただの青竜刀ではない、刃が両端に装備されておりそれを回しながら扱っているため手数も一夏の倍だ。
一夏は危険だと判断したのか後退しようとするがなぜか吹き飛ばされた。
「あん? どうなってんだありゃあ?」
「あれは、衝撃砲ですわ響さん」
響の疑問の声にセシリアがこたえると、さらに言葉をつなげていく。
「衝撃砲というのは空間自体に圧力をかけて砲身を生成して、その余剰で生じた衝撃を砲弾として打ち出す兵器ですわ。わた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ