第三十七話 夏祭りその六
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「もうそれこそさ」
「私だってスタイルよくないわよ」
「何処がだよ、立派なスタイルだよ」
「お尻の形よくないから」
彩夏は困った顔で語る。
「それにウエストもね」
「そっちもっていうのかよ」
「結構たぷたぷしてるから」
実感のある言葉だった、音で言うから余計に。
「もうそれこそね」
「だからっていうんだな」
「そう、私スタイルよくないわよ」
「そうは思わないけれどな」
「違うのよ、これが」
主観で彩夏だった、美優と同じく。
「コンプレックスあるから」
「あたしから見れば違うけれどな」
「それが違うのよ」
別の違うという意味だった、その対象がだ。
「私はとにかくね」
「スタイル悪いっていうんだな」
「美優ちゃんよりずっとね」
「あたしもいいとは思わないけれどな」
言いながらだった、そのうえで。
美優はお好み焼きからフランクフルトをかじりながらだ、あらためて言った。
「まあとにかく、飲んで食うんだったらな」
「身体を動かせっていうのね」
「カロリーを消費しろって」
「お姉ちゃんにも言われてるんだよ」
実際にそうだというのだ。
「太ってからじゃダイエットが大変だってな」
「それでそのお姉さんダイエットしてるの?」
「それが全然なんだよ」
景子の問いに苦笑いで返す。
「もうさ」
「何かお決まりの展開ね」
「酒は泡盛、甘いものはドーナツでさ」
「どっちも危なそうね」
「それでまさにプレスリーみたいにさ」
プレスリーは晩年ドーナツばかり食べる様になった、それで若い頃は見事だったスタイルは見る影もなく肥満してしまったのだ。
「なったんだよ」
「プレスリーって」
「本当に変わったんだよ」
そこまでだったというのだ。
「それでダイエットもな」
「しないのね」
「泡盛とドーナツ止めないしさ」
「運動の方は?」
「太り過ぎて走ったら膝に悪いっていうんだよ」
このことは本当のことだ、あまりにも肥満している身体で走っても膝に負担をかけてしまうのだ。
「だからな」
「ダイエットもしないの」
「今脂肪率普通に三十超えたよ」
その数値をだというのだ。
「わかるよな、三十超えたらな」
「肥満ね」
「女の子だと余計にな」
男でこの数値だとさらに危険だ、女より男の方が肥満の水準は低いからだ。
「そうなるからな」
「けれど動かないとなると」
「余計に悪いだろ」
「健康にも悪いわよ」
言うまでもなく太り過ぎは身体によくない。
「何とかした方がいいわよ」
「けれどなあ、膝がな」
「水泳がいいわよ」
ここで美優が言って来た、たこ焼きを食べながら。
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